カインズ、DCM、高末が共同配送を開始
株式会社カインズ、DCM株式会社、そして高末株式会社の3社が、新たに共同配送の取り組みを開始することになりました。この取り組みは2024年2月17日から実施され、主に東海エリアにおいて行われます。以下ではこの取り組みの特徴と背景、さらには今後の展望について詳しく解説していきます。
共同配送の背景
日本全国に約5,000店舗を持つホームセンターは、日々の生活に不可欠な消費財やインテリア雑貨、さらには工具や建材など、多様な商品を取り扱っています。そのため、迅速かつ安定した物流が求められています。近年では、働き方改革に伴うトラックドライバーの労働時間の上限規制や、深刻な人手不足が業界全体に影響を及ぼしており、これは物流の停滞を招く大きな要因となっています。
このような背景の中、カインズとDCMは同業界の企業として、共通の課題に取り組むことに決め、2023年夏ごろから協業の検討を始めました。特に、三重県桑名市にあるカインズ桑名流通センターと、愛知県大府市のDCM大府商品物流センターが、配送効率を高めるための拠点として選定され、共同配送が実現する運びとなったのです。
具体的な共同配送の内容
今回の共同配送の取り組みでは、これまでカインズとDCMが各々の物流拠点から店舗への商品配送後、空車で戻るという効率の悪い運用を改めます。新しい仕組みでは、両社の物流拠点や店舗を相互に経由することで、空車の移動距離や時間を短縮します。
この運用により、年間約33.6トンのCO2排出量の削減が見込まれており、これは実に25メートルプール4杯分の相当する量です。特に、環境への配慮が重要視される現代において、こうした取り組みは意義深いものと言えるでしょう。
具体的な配送運用
- - 運用開始日:2024年2月17日(月)
- - 実施エリア:中京エリア(愛知、岐阜、三重、滋賀)
- - 実施曜日:火曜日から土曜日
- - 運行回数:週26回(カインズ6店舗、DCM22店舗)
高末株式会社について
高末株式会社は1902年に創業した総合物流企業で、東海エリアを中心に関東や関西にも拠点を展開し、運送や物流センターの運営、国際物流など幅広いサービスを提供しています。顧客のニーズに応えるため、効率性と信頼性を重視した物流ネットワークを構築し、持続可能な物流の実現にも努めています。
DCM株式会社について
DCM株式会社は全国39都道府県に店舗を展開し、約660のホームセンターを持つ企業です。グループの理念のもと、新しい商品やサービスを創り出し、地域と協力しながら社会に貢献する企業文化を育んでいます。2024年9月には株式会社ケーヨーを合併し、さらなる成長が期待されています。
カインズ株式会社について
カインズは、242店舗を展開するホームセンターチェーンで、「くらしDIY」をテーマに日常を豊かにする商品を提供しています。顧客との約束を大切にし、親切と創意をもってサービスを展開しています。
今後の展望
カインズ、DCM、高末の共同配送は、物流の効率化と環境対策だけでなく、他企業とのコラボレーションの可能性を広げる試みとも言えます。その結果、他業種との連携による輸送プラットフォームの構築を目指し、持続可能な社会の実現に寄与することが期待されます。
この共同配送の取り組みは、今後の業界にどのような影響を与えるのか注目が集まります。