STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM)が、革新的な3相モータ・ドライバ「PWD5T60」と評価ボード「EVLPWD-FAN-PUMP」を発表しました。この新しい製品は、高効率モータを用いた小型ファンやポンプの設計および開発を大いに支援します。特に、この評価ボードは、開発の迅速化を図るために設計されています。
PWD5T60は、最大500Vまで対応するアプリケーションに最適で、ゲート・ドライバ、6つのパワーMOSFET、およびブートストラップ・ダイオードを一つのパッケージに集約しています。このことにより、従来のディスクリート品を用いた場合と比べ、基板面積を約70%も削減することが可能となりました。高い効率と小型化を実現しつつも、電力消費の管理ができるため、コストの削減にもつながります。
さらに、PWD5T60では高サイドとローサイドMOSFETの伝播遅延が厳密にマッチングされているため、動作の嘘をなくし、周波数の設定が非常に柔軟となっています。これにより、応答速度と電力効率を両立させることができます。
評価ボード「EVLPWD-FAN-PUMP」は、最大100Wのアプリケーションに対応し、PWD5T60の性能を高い精度で評価することが可能です。この評価ボードには、PWD5T60に加えてSTM32G0マイクロコントローラが搭載されており、永久磁石同期モータ(PMSM)やブラシレスDC(BLDC)モータのベクトル制御が行えます。電流の検出には1シャントまたは3シャントを選択でき、コンパクトな円形デザインは、ファンやポンプに特に最適です。
また、評価ボードには12Vおよび3.3Vの電源供給機能があり、ACライン・フィルタを搭載しているため、さらに利便性が向上しています。バス電圧検出機能も内蔵されており、PWD5T60のセーフティ設計を最大限に活用することができます。
PWD5T60には、危険な状態を回避するための減電圧ロックアウト(UVLO)機能が搭載されており、貫通電流保護機能なども含まれています。これにより、シュートスルー電流からのフェイルセーフ保護が実現されています。この堅牢性は、誤動作を防ぐ要因としても重要です。
更に進化したスマート・シャットダウン機能は、過電流保護を実現し、異常を検出すると即座に出力をオフにできます。これにより、製品開発の現場でも即座の応答を維持することが可能です。
PWD5T60は、広範な電源電圧の選択肢を提供しており、柔軟な設計が可能です。ロジック入力は3.3Vに準拠しており、他のコントローラーとの接続も簡素化されています。
現在、PWD5T60は量産中で、小型のVFQFPNパッケージとして提供されており、単価は約3.28ドル以下です。また、評価ボード「EVLPWD-FAN-PUMP」は、STのオンラインストアで約102ドルで購入することが可能です。即利用できる便利性の高いこの評価ボードは、モータ制御ソフトウェア開発キット「X-CUBE-MCSDK」に含まれているファームウェアも利用でき、より開発がスムーズになります。
STマイクロエレクトロニクスは、半導体メーカーとして指導的な地位を持ち、持続可能な社会を築くためのソリューションに取り組んでいます。詳細は、公式ウェブサイトで確認することができます。