Mawari、空間コンピューティングの新たな幕開け
次世代技術の進展が期待される中、Mawari Networkが1080万ドル(約15.6億円)の資金調達を成功裏に果たしました。これは、Anfield LTD、Borderless Capital、1kxが主導し、多数の著名投資家が加わった戦略的なラウンドでした。これにより、Mawariは空間コンピューティングにおいてさらなるイノベーションを促進し、グローバルに展開するための基盤を強化します。
Mawariは、2017年の設立以来、没入型体験を可能にするストリーミング技術の開発に注力してきました。そのビジョンは、DePIN(Decentralized Physical Infrastructure Network)を活用し、迅速かつ競争力のある価格で3Dコンテンツを提供することです。Mawariの技術は、AppleのVision ProやMetaのQuest 3、さらには新たなMeta Orion ARグラスといったデバイスに向けて、リアルタイムで3Dコンテンツを届けることを可能にします。
Mawariの成長は、空間コンピューティング業界のさまざまな課題に取り組む姿勢に支えられています。特に、従来型の集中型ネットワークの制約を超えるため、Web3の要素を取り入れている点が注目されます。このアプローチにより、Mawariはより柔軟かつ効率的なコンテンツ配信を実現します。
また、Borderless Capitalのパートナーであるショーン・キャリー氏は、「Mawariが追求しているビジョンには大きな可能性がある」とコメント。彼は、Mawariチームがこれまで積み重ねてきた技術の蓄積が、将来のイノベーションを支えるだろうと期待を寄せています。さらに、1kxの創設パートナーであるクリストファー・ヘイマン氏もMawariの取り組みに高く評価し、分散型技術がもたらす利益を強調しています。
今回の資金調達によって、MawariはSpatial Streaming SDKの改善や新たな市場での事業拡大を進めます。特にアジアや南北アメリカでは、空間コンピューティングのデバイスが進化し、多くの顧客にアクセス可能になります。MawariのCEO、ルイス・オスカー・ラミレス氏は、「私たちの目指すビジョンは、すべての人に没入型体験を提供することにあります。この投資によって、私たちが開発するプラットフォームがより広く利用されるでしょう」と話しました。
Mawariはこれまでに3つの特許を取得しており、さらに11の特許申請中です。これらの技術の恩恵を受けている顧客には、T-MobileやNetflix、BMWなどの大手企業が名を連ねています。自己資金で設立し、年間平均150万ドルの収益を上げ続けている同社は、2024年第4四半期には、独自のノードライセンスを販売開始し、空間コンピューティングネットワークのさらなる分散化を図ります。
Mawariのソリューションは、Spatial Streaming SDKとMawari Networkの二つのコンポーネントで成り立っています。Spatial Streaming SDKは、UnityやUnreal Engineなどの主要な開発環境と連携し、開発者やコンテンツクリエイターが革新的なコンテンツを生み出すためのプラットフォームを提供します。
さらに、Mawari Networkは、空間コンピューティング特有の分散型GPUによるコンテンツ配信ネットワークであり、エンドユーザーに近い位置に配置されたノードが低遅延かつ高品質な体験を実現します。このシステムにより、3Dコンテンツの効率的な配信が可能となり、全世界のユーザーにシームレスなサービスを提供できるのです。
Mawariは、分散型空間コンピューティングを通じて新たなデジタル体験の創造を目指しています。開発者やクリエイターのためのサポートを通じて、未来のコンテンツの在り方を変えることに力を注ぎます。