清水建設、BIM/CIMクラウド「KOLC+」の全国展開を発表
清水建設株式会社(以下、清水建設)は、土木部門において、BIM/CIMクラウド「KOLC+(コルクプラス)」の全国展開を2025年4月から開始することを発表しました。この新システムは、建設業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めるための重要なツールです。
導入の背景
KOLC+は、2023年2月から現場試行がスタートし、すでに多くの大規模土木工事で導入されています。試行期間中、鉄道工事、高速道路工事、トンネル工事、発電所工事など多様なプロジェクトで評価され、現場職員から高い支持を得てきました。特に、デジタルツイン施工計画や施工管理の効率化、電子ワークフローによるペーパーレス化が功を奏し、全国展開の決定に至りました。
「KOLC+」を推進する清水建設の河上展久氏は、DX戦略部デジタルコンストラクショングループの責任者です。彼は、「施工管理に3Dモデルが必要な理由のひとつがKOLC+にある」とし、データの統合と共有が可能であることが最大の強みであると語っています。さまざまな現場からのリアルタイムデータを収集・分析することで、施工管理がさらに進化することが期待されています。
清水建設での具体的な導入事例
相模鉄道本線鶴ヶ峰駅付近連続立体交差工事
この工事では、相模鉄道本線の西谷駅から二俣川駅間の約2.8kmを地下化し、交通の円滑化を図っています。KOLC+が導入されてから、全ての関係者が情報を共有するシステムを構築し、従来の課題を解決しました。特に、高速プレビュー機能の導入によって点群データの閲覧が円滑になり、質の高い施工管理が実現されています。
東京外環自動車道京葉ジャンクションGランプ工事
この工事では、京葉道路と外環道を接続するためのGランプを開削工法で構築しています。KOLC+の導入により、関係者間の情報共有が格段にスムーズになり、より効率的に施工管理が行えるようになりました。特に、若手職員も容易に現場の全体像を掴むことができるようになり、教育効果も期待されています。
KOLC+の特徴
KOLC+は、BIM/CIMモデルや点群をクラウド上で統合・共有できる革新的なプラットフォームであり、国土交通省の情報共有システムとしても認められています。500社以上が利用しており、継続的な機能改善に注力しているコルク社が backsしています。これにより、費用対効果も高く、従来では専門のソフトウェアが必要だった多くの操作がKOLC+で完結できるようになっています。
清水建設の河上氏は、今後も精力的にその可能性を広げ、デジタルツインの構築を目指していくと語っています。KOLC+による全国展開が、土木部門におけるDX推進に寄与することが期待されています。
会社概要
清水建設株式会社
- - 所在地: 東京都中央区京橋二丁目16番1号
- - 代表者: 代表取締役社長 新村達也
- - 会社HP
株式会社コルク
- - 所在地: 東京都豊島区西池袋1-11-1 メトロポリタンプラザビル14階
- - 代表者: 代表取締役 坪井正雄
- - 事業内容: 建設業向けBIM/CIM共有クラウド「KOLC+」の企画、開発、運営
- - 会社HP