西尾市とECOMMITが手を組み循環型社会を目指す
愛知県西尾市と株式会社ECOMMITは2023年12月4日、持続可能な循環型社会の形成に向けた事業連携の協定を締結しました。この協定は、地域内での廃棄物削減と分別意識の醸成を目的としており、生活の中で簡単に資源循環に参加できる仕組みを提供します。
経緯とその背景
ECOMMITは、昨年度西尾市の官民連携事業に参加し、地域課題である「県内ワースト1」を脱却するための最優秀提案に選ばれました。この提案に基づき、生活動線上に不要品回収ボックス「PASSTO」を設置し、「捨てる」行動から「再利用」へと意識を変えることを目指します。
この取り組みは、特に家庭ごみの減量に寄与することを期待されています。令和7年12月からは、市内5か所での実証実験を経て、展開が始まります。
具体的な取り組み内容
協定に基づき、ECOMMITは2023年12月5日から市内8か所に「PASSTO」の不要品回収ボックスを設置します。家庭で不要になった衣類や雑貨を、廃棄せずにリユースやリサイクルへとつなげるシステムが提供されます。
「PASSTO」で回収された用品はECOMMITの循環センターで選別され、国内外でリユース品として再流通させたり、リサイクルパートナーを通じて再資源化されます。このプロセスにはトレーサビリティシステムが用いられ、再流通先をデータ管理することで、廃棄物の最小化と透明性の高い循環を実現することが可能となります。
市長のコメント
西尾市市長の中村健氏は、この連携協定の締結に感謝の意を表し、循環型社会の実現を通じて未来の世代に誇れる環境を築くことへの期待を述べました。同市は、過去に家庭ごみ排出量が多かったという課題を抱えており、協定によって市民の意識が変わることに期待しています。
ECOMMITの思い
ECOMMITの坂野晶 CSOは、同社の役割として「物を大切にする」「循環する社会の実現」への取り組みの重要性を強調しました。減量型の社会から資源利用へと意識をシフトする機会を提供し、地域全体での協力を促進することが目標です。また、自宅からの送料無料で不要品を送る「宅配PASSTO」サービスも新たに開始され、市民にとって使いやすい選択肢が増えます。
「PASSTO」の概要
「PASSTO」は「次の人に渡す」を意味する名称で、身近な場所で資源の入口となることを目指しています。不要品の回収率は高く、約98%がリユースやリサイクルに繋がるため、環境に優しい取り組みと言えるでしょう。公式ウェブサイトやSNSを通じて、その活動や情報を発信しているため、注目の施策となっています。
今後も、ECOMMITと西尾市はともに連携を深めながら、地域住民が循環型社会の実現に向けて積極的に参加できる環境作りに尽力していくことでしょう。これにより、持続可能な社会の実現が一層具体化されることが期待されます。