新潟医療福祉大学の新たな研究成果
新潟医療福祉大学の健康スポーツ学科に所属する研究グループが、女子サッカー選手の髪に含まれるホルモンを分析し、その結果がアスリートのメンタルヘルスと密接に関係していることを発表しました。特に注目されるのは、オキシトシンという「愛情ホルモン」が、選手たちの心理的苦痛と関連している可能性があるという点です。
研究の背景と目的
日々ハードなトレーニングに明け暮れるアスリートたちにとって、自身の体調やメンタルの状態を把握することは非常に重要です。しかし、ストレスの蓄積や「燃え尽き症候群」への理解はまだ不十分です。本研究では、選手たちが感じている心身の不調の背後にあるホルモンに焦点を当てることで、より客観的な指標を提供することを目的としています。
研究のメソッド
研究は、女子サッカー選手22名(平均年齢19.8歳)を対象に、過去1ヶ月の髪を使用してホルモンレベルを分析しました。特に測定したのは、ストレスホルモンとして知られるコルチゾールと、オキシトシンの2種類です。髪の毛は成長する過程で体内のホルモンを取り込むため、これを利用することでストレス状態を把握する手法が取られました。
重要な発見
オキシトシンと心理的苦痛
研究の結果、オキシトシンの濃度が高い選手ほど、不安や落ち込みといった心理的苦痛を感じていることが判明しました。
- - オキシトシンの役割:愛情や絆を深めるホルモンとされるオキシトシンですが、慢性的なストレスに対しては、逆にストレスを和らげるために分泌される可能性が示唆されています。
コルチゾールの変動
一方で、コルチゾールの変動はインディペンデントであり、トレーニングの負荷が増加してもその平均値には大きな変化が見られなかったが、個別の選手での差異が重要な示唆を提供しました。特に、毛髪中のコルチゾール濃度は、選手の活力とも有意に関連していたため、パフォーマンスやモチベーションの低下における指標としての可能性が期待されます。
今後の展望
本研究の成果を踏まえ、以下のような展望が考えられます。
1.
早期発見:アスリートのオーバートレーニングやメンタルヘルスの問題を早期に発見し、適切な対策を講じる手法として毛髪ホルモンの測定が有効です。
2.
トレーニングの最適化:選手一人ひとりのホルモンレベルを追跡し、個別化されたトレーニング管理の実現に貢献する可能性があります。
3.
メンタルヘルスのケア:ストレスを生理的な観点から評価することで、心理的アンケートだけでは見えない「隠れたストレス」への理解が深まります。
まとめ
新潟医療福祉大学のこの研究は、アスリートにおけるメンタルヘルスの理解を深めるための新たな指標を提供した点で意義深いものです。今後もさらなる研究が期待されます。これにより、アスリートが健康的に競技生活を送るための道筋が開かれることでしょう。私たちは、身体だけでなく心の健康を保ちながら、スポーツに臨むことの重要性を再確認しました。