LGT、2024年上半期の好業績と持続可能な成長への展望
リヒテンシュタイン公爵家が所有するプライベート・バンキングおよびアセット・マネジメントの大手企業LGTが、2024年上半期において依然として好調な成長を遂げ、純資産流入も顕著な伸びを見せました。主にサービス収益の15%増加が寄与したこの業績は、2023年同期比で利益は22%減少しながらも、グループの運用資産残高は大幅に増加しました。
業績の詳細
2024年6月時点で、LGTの運用資産残高は、2023年末と比較して13%増の3,560億スイスフランに達しました。この成長は、純資産流入のほかにも、好調な市場パフォーマンスや為替変動が寄与しています。具体的には、純資産流入額は80億スイスフランで、年率5%の有機的成長を記録しました。さらに、プライベート・バンキングおよびアセット・マネジメント部門が好業績を牽引しました。
2024年の上半期における総営業収益は12億8,000万スイスフランで、前年同期比4%の増加が見られました。特に、仲介事業からの収益と投資管理手数料の増加が見られ、サービス収益は15%増だったものの、正常化した金利環境により純金利収益は30%減少し、1億9,230万スイスフランとなりました。
一方、トレーディング収益・その他営業収益は、債券ポートフォリオの好調な金利と評価益、さらには顧客活動の活性化が功を奏し、10%増の2億3,910万スイスフランに達しています。
ビジネスコストと費用
LGTは人件費を12%増の7億6,720万スイスフランとし、デジタル化プロジェクトへの投資を反映した事業費は11%増の2億2,450万スイスフランとなりました。これらの要素により、2024年上半期の費用収益比率は77.3%へと上昇し、前年度の74.2%から悪化しましたが、依然として健全な数値です。
今後の成長戦略
LGTは、特にデジタル化に向けたさらなる投資を通じて、資産基盤の拡大を図り、持続的な成長と収益力の強化を目指しています。リヒテンシュタインおよび英国の拠点拡大、さらにはインド、タイ、日本にプライベート・バンキングの拠点を設立するなど、グローバルなプレゼンスの強化を図っています。
さらに、LGTは高品質で効率的なサービスを提供するために、最新のITインフラへの投資を拡大しています。この中には、生成AIを活用した業務支援ツールの導入も含まれています。
賞と評価
2024年上半期、LGTはその専門性が評価され、多くの業界賞を受賞しています。ここには、ユーロマネー・グローバル・プライベート・バンキング・アワード2024での優秀賞や、WealthBriefingの「Wealth for Good Awards 2024」などが含まれています。これらの受賞は、LGTの向上心と投資家に対する強い信頼の証です。
LGTの会長であるマックス・フォン・ウント・ツー・リヒテンシュタイン公子は、この成果を評価し、今後も成長が見込める分野への投資を継続する意向を示しました。特に、地域や運用キャパシティにおいて直面するリスクを克服し、顧客のニーズに応じたソリューションを提供し続けることの重要性を強調しています。
LGTは、今後も国際的な変動に対応しながら、各種サービスの質を高め、グローバルな金融市場における存在感を確保していくでしょう。