自動運転AIチャレンジの栄光
2024年11月、技術者たちの熱き戦いが繰り広げられる中、パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社(以下、パナソニックオートモーティブ)の有志チームが「自動運転AIチャレンジ2024」のアドバンストクラスで最優秀賞を獲得しました。この大会は、公益社団法人自動車技術会が主催し、自動車業界の発展を目指す技術者の育成と発掘を目的に、国際的な競技大会として開催されています。
技術者不足の現状
自動車業界は、CASEやSDVの進展と共に多くの変革を迎えています。しかし、これらの技術を支えるAIやITに精通した技術者が不足しているのが現状です。この背景を受け、「自動運転AIチャレンジ」は、若手技術者が成長する場を提供するため設けられました。パナソニックオートモーティブは、技術者たちが相互に成長し合える場を提供する「技術チャレンジ部」を中心にチームを結成し、2022年からこの大会に参加しています。
チームTPACの挑戦
2024年度の大会では、アドバンストクラスに参加したチームTPAC(Team Panasonic Automotive Challengers)が、実際の自動走行を成功させるべく決勝大会に挑みました。その舞台には、昨年度優秀な成績を収めた6つのチームが立ちはだかります。パナソニック オートモーティブのチームは、実機を用いてシミュレーションや周回タイムを競う中で、最速タイムを叩き出しました。
成功の裏にあった工夫
決勝戦では、車両制御モデルも駆使し、シミュレーションで得た知見を活かしつつ、実車に特有の課題を克服し最速周回タイムを狙うことが求められました。特に、実車両での操舵追従性をシミュレーターに反映させることで、より高精度な評価を実現しました。また、S字路のような複雑な経路をスムーズに走行できる経路計画を設計することに成功しました。
参加した技術者たちからは、「最先端技術を真剣かつ楽しく体得できただけでなく、他社の技術者や学生との交流を通じて自らの技術者としての知見と経験を深めることができた」との振り返りも寄せられています。
パナソニックオートモーティブの未来
2022年に設立されたパナソニック オートモーティブシステムズは、車載事業を担い、日本国内に本社を置きながらも、海外の8ヵ国に子会社を有するグローバル企業として成長を続けています。2024年には、株式の80%をApollo Global Managementが所有し、パナソニックグループの一員として自動車メーカーに先進技術を提供してきました。
企業ビジョンには「世界一の移ごこちデザインカンパニー」を掲げており、今後も人々に寄り添う技術で社会に貢献しています。自動運転技術の進化は、同社にとっても大きな挑戦ですが、今回の成功を足がかりにさらなる革新を遂げていくことでしょう。自動運転技術が実現する未来に期待が寄せられます。