QPS研究所、最新の小型SAR衛星「アマテル-Ⅳ」の初ファーストライト
2024年9月20日、株式会社QPS研究所が小型SAR衛星「アマテル-Ⅳ」からの初画像を公開しました。この衛星は分解能1.8mのストリップマップモードと分解能46cmのスポットライトモードの両方で観測を行い、両モード画像の同時発表に成功しました。
「アマテル-Ⅳ」の打上げと運用
「アマテル-Ⅳ」は、福岡市に本社を置くQPS研究所が開発した小型SAR衛星で、米国SpaceX社のファルコン9ロケットを用いて2024年8月17日に打上げられました。打上げから約2時間後には衛星との初交信に成功し、その日の夜には収納型アンテナの展開が行われました。
その後、衛星機器の調整を続けた結果、2024年9月15、17、18日の観測で初めての画像を取得しました。特に注目すべきは、かつてのプロジェクトでは単一モードの画像が公開されるまでに時間を要していた点です。今回は、運用経験に基づく迅速な調整が可能であったことが強調されています。
代表取締役社長のコメント
QPS研究所の代表取締役社長である大西俊輔氏は、「今回の両モード同時公開は、エンジニアチームの努力の結果であり、私たちの技術が確実に進化していることを示しています。引き続き、様々な課題に取り組みながら持続的な成長を目指します」とコメントしています。
初ファーストライト画像の詳細
ストリップマップモード
- - 観測日時: 2024年9月15日21:55(日本時間)
- - 観測場所: 愛知県名古屋市
- - 天候: 曇り
- - 分解能: アジマス分解能1.8m、レンジ分解能50cm
スポットライトモード
- 2024年9月17日22:10(神奈川県海老名市/厚木市): 晴れ時々曇り
- 2024年9月18日11:32(長崎県五島市福江島): 晴れ時々曇り
- - 分解能: アジマス分解能46cm、レンジ分解能は条件により変動
これらの画像は、詳細な解析とともにQPS研究所の公式サイトで視聴できる予定です。特に、海老名市と厚木市の境界にかかる相模川や、五島市の福江島の風景は、美しい景観を捉えたものとして注目されています。
QPS研究所の背景
株式会社QPS研究所は2005年に福岡で設立された宇宙開発企業で、九州宇宙産業の発展に貢献することを目指しています。同社は、九州大学での経験をもとに衛星開発やスペースデブリへの対策に取り組んでおり、多くのパートナー企業と協力しながら、宇宙技術のさらなる向上を図っています。
今後もQPS研究所の活動から目が離せません。