2026年版世界チョコレート成績表の発表と日本企業の挑戦
2026年5月13日、熱帯林行動ネットワーク(JATAN)は「第7版 世界チョコレート成績表(チョコレート・スコアカード)」を発表しました。この成績表は、空前の規模で展開されている世界のチョコレート業界の持続可能性や倫理的調達についての評価を示すものです。本プログラムは、オーストラリアに拠点を置く人権団体ビー・スレイバー・フリーが主導しており、28の団体が協力して実施しています。今回は、調査対象となった企業の中から日本企業の状況に焦点を当て、その成果や課題について深掘りしていきます。
日本企業の成績と評価
今回の成績表では、日本から参加した企業は中・大規模企業7社と小売業者2社、合計9社に及びます。明治ホールディングスは、トレーサビリティ情報の開示を進め、日本企業の中で唯一最高評価を得ました。一方で、日本企業全体の評価は依然として欧米企業に後れを取っており、特にトレーサビリティと透明性の評価は多くの企業が下げています。
評価指標は、トレーサビリティ、生計維持所得、児童・強制労働、森林破壊といった多様な分野に分かれており、消費者や政策立案者は、誰が業界で主導的役割を果たしているのかを容易に知ることができます。
欧米との格差と課題
特にEUDR(欧州森林破壊防止規則)が施行された欧米企業に対し、日本企業はまだ規制による牽引力が無く、透明性の向上が求められています。この結果、日本企業の6社は何度かの調査で、過去よりも評価を落とすという厳しい立場に直面しています。様々な課題に挑む中で、実務レベルでの取り組み不足が企業の評価に響いていることが浮き彫りになりました。
知識の開示と透明性
重要なことは、『知識』があるのではなく、それを第三者が容易に検証できる情報へと構築していく必要があるという点です。単に認証を受けているという状態だけではなく、オープンな開示をしなければ、評価は上がりません。このことは、消費者の信頼を得るためにも必要不可欠です。
農家の所得向上と透明性
また、成績表には農家への所得問題についての進展も見られます。多くの企業が農家の所得状況を把握し始めており、「不明」としていた状況から明らかに改善されています。ただし、依然として約80%の企業が生計維持所得を保証できていない状況は、日本企業全体の責任と課題と言えるでしょう。
つまり、企業の取り組みとして、まずはサプライチェーンの透明性を高め、持続可能な農業を実現するための具体的な行動が求められているのです。
自社を知ることが透明性につながる
透明性が必要とされている今、各企業はしっかりと自社のサプライチェーンを理解し、それを消費者に対して適切に伝えていくことが求められています。企業が自らの強みを生かしつつ、倫理的かつ持続可能な方法を採用することで、チョコレート業界全体の改善を図ることが可能です。
結論
今回の第7版 世界チョコレート成績表は、日本企業にとって多くの課題を突きつけるものであり、真の意味での透明性確保への道はまだ遠いと言えるでしょう。しかし、明治ホールディングスのように積極的な取り組みを続ける企業が出てくることで、日本全体のチョコレート業界が変わる可能性を秘めています。これからの持続可能なビジネスの在り方について、改めて考えるきっかけとなりました。