中学生151名が参加した介護理解の新プログラム
株式会社ニチイ学館は、介護に関する理解を深めるための新たな教育プログラム「かけテク for CARE」を東京都中野区の新渡戸文化中学校で実施しました。このプログラムは、同社が展開する社会プロジェクト『MY CARE ACTION』に基づき、151名の中学生が参加。少子高齢化社会において、介護の未来を考える重要な機会となりました。
介護の現実を自分ごととして捉える
この授業では、TBWA HAKUHODOが開発した教育メソッド「かけテク」を用いて、「社会課題を解決するアイデアを発想する方法」を学びます。生徒たちは、介護分野の現実的な課題を理解し、それに対する解決策を考えるためのワークショップを通じて発想力を養いました。講義では、授業の導入としてアイデア創出の基礎を学び、実生活に根ざす問題に焦点を当てました。
特別講師として登壇したTBWA HAKUHODOの鈴木氏は、日常の困りごとの観察からアイデア創出の重要性を解説。生徒たちは、実際の介護現場での課題を理解し、発想ワークに取り組みました。
授業の流れと発表
授業は、以下のプロセスで進行しました。
- - INTRODUCTION(プログラム紹介)
- - ISSUE HUNTING(課題発見)
- - IDEATION(アイデア発想)
- - PRESENTATION(発表準備)
生徒たちはチームに分かれ、「高齢者」「障がい者」「ケアラー」といった立場を考慮しながら、地域社会やケアに関する困りごとを発見しました。例えば、「一人暮らしの高齢者が通院に苦労する」や「障がいのある人が交通を利用しづらい」といった問題が挙げられました。
続いて、ケア課題と地域の課題を組み合わせて新たな解決策を考察。生徒たちは「ケアイノベーション」として多様なアイデアを発表し、介護が特別ではなく、誰もが関わるテーマであることを再認識しました。
最終日には、保護者を招いてのプレゼンテーション大会が行われ、各チームが発表したアイデアは「若手社員の悩みを聞く高齢者カウンセラー」や「商店街の空きスペースを利用した高齢者ワークスペース」など多岐にわたりました。生徒たちは、考案したアイデアが実際に見える形として社会に還元されることへの期待感を示しました。
生徒たちの反響
授業を通じて、参加した生徒たちは「身近にあるケアの困りごとを意識するようになった」といった声や、「思いついたアイデアを具現化したい」との感想を述べ、次世代の創造力を活性化させる機会となったことが明らかになりました。教育現場において、ケアに関するテーマは軽視されがちでしたが、本プロジェクトはその意義を再確認させ、生徒たちにとっても意義ある体験となったことが関係者からも評価されました。
今後、ニチイ学館は生徒たちの発表をもとに実際の施設や地域でのアイデア検証を進める方針です。さらに、すべての人々がケアに向き合える社会の実現を目指し、『MY CARE ACTION』を推進していきます。
まとめ
この取り組みは、少子高齢化社会における介護への理解を深めるだけでなく、若者たちにとって身近な社会課題として捉えられることを目的としています。これからの社会を担う世代にとって、介護に関心を持つことは重要であり、ニチイ学館はそのための一助を担っています。