国内初の取り組み、リニューアブルディーゼルの導入
伊藤忠エネクス株式会社が、岩手ニチレキ株式会社と共同で行った道路補修工事において、次世代バイオ燃料であるリニューアブルディーゼル(RD)を使用したことが話題になっています。この取り組みは国内では初めての試みで、環境負荷の低減を目的とし、カーボンニュートラル社会の実現に向けた一歩とされています。
リニューアブルディーゼルとは?
リニューアブルディーゼルは、食用油や廃動植物油を原料として作られるバイオ由来の燃料で、温室効果ガスの排出を大幅に削減できる特徴を持つクリーンな燃料です。具体的には、CO2を実質100%削減できるカーボンニュートラル燃料として注目を集めています。また、軽油と比較して最大90%のCO2排出量削減が可能という利点もあり、持続可能な社会の実現に貢献します。
なぜ道路工事での使用が重要か?
道路補修工事は、従来の燃料を使用した場合、運搬や作業に伴うCO2の排出が避けられません。したがって、リニューアブルディーゼルを導入することで、これらの排出を抑えることができるのです。また、この試みが認知されることで、将来的には他の地域でも同様の取り組みが広がることが期待されています。
企業間の連携
伊藤忠エネクスとニチレキグループは、2023年11月に資本業務提携を結びました。この提携の一環として、環境負荷の低減を目的とした様々な分野での共同作業が進められています。今回の道路工事におけるRDの導入は、その道筋を明確に示すものです。
2050年目標に向けた取り組み
ニチレキグループは、2050年までにカーボンニュートラルを実現するために、環境に配慮した高付加価値製品や工法の提供、資源再利用の促進、グリーン電力への切り替えなど、さまざまな施策を進めています。一方、伊藤忠エネクスも「社会とくらしのパートナー」として、エネルギーとサービスを提供することを使命とし、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
今後の展望
この取り組みを礎に、両社はRD供給体制の強化や運用ノウハウの構築を進め、全国の道路補修工事に向けてRDを導入する方針です。このように、環境に優しい技術が実用化され、脱炭素社会への道筋が確保されることが期待されます。
伊藤忠エネクスと岩手ニチレキのこの取り組みが、他の地域や業界にも波及し、国内全体での脱炭素化が進むことを願っています。