名城大学が愛知県の重要研究プロジェクトで二つの研究テーマを採択
名城大学の農学部と理工学部から、それぞれの研究リーダーが活躍する二つのテーマが、愛知県と公益財団法人科学技術交流財団が実施する「知の拠点あいち重点研究プロジェクトV期」に選ばれました。このプロジェクトは、大学の研究成果を基にしたオープンイノベーションによって、県内の主要産業の課題解決を図り、新技術の開発や新たなサービスの実現を目指すものです。
あいちの次世代型発酵の挑戦
最初の研究テーマは、「あいちの次世代型発酵を目指した醸造用微生物の育種開発と社会実装」です。このプロジェクトは愛知県の「発酵食文化」を基盤にしつつ、「カーボンニュートラル」の考え方も取り入れた、醸造産業の進化を見据えています。近年、日本酒の国内消費が落ち込んでいる中で、精米による米ロスとエネルギー消費を削減しながら、香り高く高品質な日本酒を作り出す技術開発を目指します。
研究リーダーの加藤雅士教授は、醸造微生物、特に麹菌や酵母の育種を通じて、より効率的な製造技術を導入する考えを語っています。このプロジェクトは、味噌や醤油、みりんといった伝統的な発酵食品にも応用が期待されており、愛知県の発酵食文化をブランドとして確立することを目指しています。
共同研究機関
この研究には、盛田株式会社といった企業が事業化リーダーとして参加しているほか、地元企業や新興企業が参画し、地域全体の協力体制が整っています。これによって、より実践的な成果を生み出すことが期待されています。
多機能医療機器の創出
続いてのテーマは、「伸縮性と形状記憶性を有する多機能複合素材の医療機器への応用研究開発」です。この研究では、多機能素材技術を駆使した新しい形状記憶プレート医療機器の開発に挑戦します。従来の医療機器にはない新機能を持たせることで、整形外科などの医療分野での突破口を開くことを目指しています。
研究リーダーの仙場淳彦准教授は、医療機器産業の革新を通じて、愛知県における新たなビジネスの創出を目標としています。このプロジェクトにも複数の地元企業が参加しており、地域の医療機器業界の発展につながることが期待されています。
地域貢献へ向けて
名城大学が推進するこれらの研究プロジェクトは、ただ単に学術的な成果を追求するものではありません。地域の産業の活性化や、持続可能な社会を実現するための重要なステップとして位置づけられています。愛知県の誇る伝統的な文化や、最先端の技術、地域の強みを融合させることで、より良い未来を創造するプロジェクトとなることでしょう。
お問い合わせ先
これらの研究について詳細をお知りになりたい方は、以下の連絡先までお問い合わせください。
【研究テーマ1】名城大学農学部 教授 加藤雅士
電話:052-838-2453
メール:
[email protected]
【研究テーマ2】名城大学理工学部 准教授 仙場淳彦
電話:052-838-2629
メール:
[email protected]