美波町と一般社団法人やましごと工房が締結した契約について
徳島県美波町と一般社団法人やましごと工房(以下、やましごと工房)は、森林経営計画に関する進捗管理業務について契約を締結しました。この取り組みは、持続可能な森林経営を推進するための重要なステップとなります。
森林経営計画とは
森林経営計画は、森林法に基づいて作成されるもので、森林所有者やその管理を委託された者が自らの森林の施業方針と保護方針を定めます。計画は5年を1期とし、市町村長の認定を得ることで効力を持つものです。この制度は、効率的かつ計画的な森林施業を実現し、森林の多面的な機能を引き出すことを目指しています。認定を受けることで税制優遇や補助が得られることから、全国的に多くの地域で活用されています。
制度運用の課題
しかしながら、森林経営計画制度は2014年に始まったものの、運用には多くの課題も抱えています。特に、地方分権の中で運用主体が都道府県から市町村に移行した際、多くの市町村に専門の林業職員が不足していることが明らかになりました。さらには、職員の異動が頻繁なため、体系的な知識の蓄積が難しく、5年にわたる計画の管理が課題とされています。
やましごと工房の役割
今回の契約に基づき、やましごと工房は、美波町が認定した森林経営計画の進捗状況を客観的に管理し、問題がある場合には町が指導できるよう資料を整備します。これに加えて、新しい森林経営計画の申請にも専門的な視点から検証を行い、美波町の認定業務の技術的な支援を行う予定です。
今後の期待される成果
この契約を通じて、森林経営計画制度の目的に沿った形で森林機能の発揮と国土保全が期待されます。また、美波町内の森林資源の適切な活用や持続可能な森林経営の確立にも寄与するでしょう。さらに、行政の役割を委託し、効率的な業務運営を実現することで、町職員の業務負担が軽減されることも期待されています。
やましごと工房の事業について
やましごと工房は、徳島県美馬市とつるぎ町で森林経営管理制度の実行支援を目指して2018年に設立されました。その後、支援業務の範囲を拡大し、林業行政の運営や実行に関する支援へと進化。これまでに、森林経営管理制度の分野で数多くの実績を上げています。特に、美馬市やつるぎ町の取り組みは評価され、林野庁の事例集においても紹介されています。
通常、森林行政の支援は森林組合や林業事業者団体が担うことが多いですが、やましごと工房はそのような団体に所属せず、中立的な立場で行政支援を行っています。これにより、利害関係から自由な公正な支援が可能となっているのが特徴です。現在、他の自治体にも活動を広げており、広範にわたる支援を展開しています。
お問い合わせ情報
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