非正規雇用における外国人・シニア採用が加速!企業の課題と対策とは?
株式会社マイナビが実施した「非正規雇用の外国人・シニア採用に関する企業調査(2024年)」の結果が発表され、非正規雇用における外国人・シニアの採用状況、企業が抱える課題、そして今後の対策について明らかになりました。
非正規雇用で外国人採用は増加傾向
調査によると、非正規雇用で外国人を採用している企業は42.2%と、前年比で5.0ポイント減少したものの、コロナ禍前の2019年比では7.5ポイント増加しています。コロナ禍前よりも採用する企業が増加傾向にあることが分かります。
業種別では、コンビニ・スーパーが63.8%と最も高く、飲食・フードが57.5%で続きました。一方で、保育は19.7%、建築・土木・設備工事は25.7%と、外国人の非正規雇用には業種間で大きな差が見られました。
直近半年の平均採用人数は29.1人で、業種別では清掃が平均50.6人と最も多く、次いで製造ライン・加工が平均43.8人となっています。
宗教や文化への理解と尊重が課題
非正規雇用で外国人従業員を採用している企業の約7割が、宗教的な思想・習慣・食事などを尊重する施策を実施しています。しかし、企業の3分の1以上が、宗教的な服装や食事の尊重について課題を感じているという結果が出ています。
業種別では、事務・データ入力・受付・コールセンターや介護では8割以上の企業が宗教への理解・尊重のための取り組みを行っている一方で、清掃やコンビニ・スーパーでは5割程度にとどまっているという現状があります。
人材定着が最大の不安材料
非正規外国人を採用する企業の50.1%が、人材定着について不安を感じていると回答しました。
企業が実施している受け入れ施策と不安の有無を比較した結果、外国人社員のメンタルサポートができる環境の整備が最も大きな差を生み出しました。不安に思う企業では23.7%がメンタルサポートを実施しているのに対し、不安がない企業では32.5%が実施しています。
その他、自社HPや店舗への外国語表記、外国人に特化した求人媒体の利用、日本のカルチャーフィットなどの研修なども、不安感の軽減に影響していると考えられます。
シニア層の採用も増加
非正規雇用でシニア層を採用したことがある企業は62.8%、今後採用する意向がある企業は58.4%と、6割以上の企業がシニア層の採用に関心を持っています。
特に、警備業では直近半年間の採用実績が91.5%、今後の採用意向も78.6%と、シニア層を継続的に採用する意向が非常に高いことが分かります。
シニア層を採用したい企業のうち、何歳まで採用したいかを聞いたところ、「71歳以上」が24.6%となり、調査を開始した2020年以降最高となりました。
今後の企業にとっての課題と対策
政府は、外国人労働者の積極的な受け入れ推進や、高齢者の定義を65歳から70歳に変更するなど、労働力人口不足の改善に向けた施策を進めています。
このような状況下で、非正規雇用における外国人・シニアの採用は今後も増加していくと考えられます。
企業は、外国人従業員に対しては宗教や文化への理解と尊重、シニア従業員に対しては幅広い業種で活躍できる機会を提供していくことが、人材確保において重要となります。
今回の調査結果は、企業が外国人・シニア従業員を積極的に採用していくために、どのような対策が必要なのかを明らかにする重要な指標となります。