エネルギー業界の雄、ENEOS株式会社が、スタートアップスタジオ「Co-Studio」とタッグを組み、新たな挑戦をスタートさせた。その成果として生まれたのが、美容師と顧客をつなぐコミュニケーションアプリ『ビーネ®︎』を開発・運営するエナフォワード株式会社だ。2024年11月1日に行われたSpready株式会社主催のカンファレンス「NEXT Innovation Summit 2024 in Autumn」では、ENEOSとエナフォワードの代表が登壇し、この画期的なコラボレーションの裏側を明かした。
セッションでは、ENEOS中央技術研究所技術戦略室事業創出推進グループマネージャーの平野智久氏が、ENEOSにおける事業領域を物理的なエネルギーだけでなく精神的なエネルギーにも広げようという意欲を表明。従来の枠にとらわれない挑戦として、Co-Studioの支援を得て『ビーネ®︎』を開発した経緯を語った。
平野氏は、大企業が新規事業を立ち上げる難しさについて触れつつ、「出島」という形でスタートアップと連携することで、柔軟な発想とスピード感をもって事業を進められるようになったと強調した。また、Co-Studioが提供する「Co-DEZIMA」スキームが、実証実験を迅速に進める上で大きな役割を果たしたと述べ、スタートアップスタジオとの連携が事業成功に不可欠であることを力説した。
エナフォワード株式会社代表取締役の遠藤健氏は、デザインチームのクリエイティビティ、Co-Studioのメンター力、開発チームのプログラミングスキルなど、様々なプロフェッショナルが一体となって『ビーネ®︎』を創り上げたことを強調。美容業界への認知度向上や売上拡大を目指し、さらなるサービス改善を進めていく意欲を示した。
セッションの最後には、遠藤氏は「圧倒的な行動力で動いてみてください。その行動の先には全く想像できない扉があり、人がいます。」と視聴者にメッセージを送った。自身が現場を走り回り、美容師の方々との交流を通して得た経験や感謝の思いを語り、行動することの重要性を訴えた。
今回のセッションは、大企業とスタートアップスタジオの連携による新たなビジネスモデルの可能性を示すものであった。新規事業開発や経営戦略に関心を持つ人にとって、貴重な示唆を与えてくれる内容と言えるだろう。