社会と発達障害、保護者の現状
株式会社LITALICOが運営する発達障害支援ポータルサイト「LITALICO発達ナビ」によると、2026年6月に実施された意識調査では、社会全体の発達障害に対する理解が深まったことが示されています。本記事では、その調査結果を元に、発達障害を持つ子どもを支える保護者の声や働き方の変化について探っていきます。
調査概要
調査名:LITALICO発達ナビ ユーザーサーベイ2026
実施期間:2026年6月
回答数:911名(うち保護者623名、支援者211名、当事者77名)
回答者の68.4%が発達障害や特性を持つ子どもを育てる保護者で、多様な特性が確認されています。特に、自閉スペクトラム症(ASD)が78.8%を占め、次いで注意欠如多動症(ADHD)が45.5%といった結果が得られました。こうした診断名や特性は、近年の多様性への理解が高まる中で、より注目されています。
社会的理解の深化と保護者の反応
調査により、保護者の62.8%が社会や周囲の発達障害への理解が深まってきたと感じています。この数字は、多様性を受け入れる社会が少しずつ形成されていることを示すポジティブな兆候です。しかし、同時に家庭における保護者の働き方の調整が必要だという意見も寄せられています。
実際に、保護者の57.9%がお子さまのサポートに合わせて働き方に変化があったと回答しており、ここには柔軟な勤務時間や在宅勤務といった新たな働き方の導入が含まれています。多くの保護者が、子どもに必要なサポートを提供するために、勤務シフトを調整するなどの工夫を行なっています。
一方で、151名の保護者が「休職・退職・転職」を選択するなど、経済的な問題も抱えつつ、育児と仕事を両立させるための環境整備が依然重要であることを示しています。
保護者のメンタルヘルスの重要性
保護者のメンタルヘルスに対する配慮は、調査結果からも重要なテーマとして浮かび上がりました。74.2%の保護者が自らの睡眠や精神的健康に変化を感じており、その支援が切に求められています。特に、支援が必要な子どもの発達を長期的に支えるためには、まず保護者自身が健康で、孤独を感じない環境が整っていることが不可欠です。
専門家の見解
鳥取大学の井上雅彦教授は、発達障害に対する社会的理解の進展と同時に、家庭への具体的な支援が必要とされていると指摘しています。保護者のニーズを理解し、必要なサポートを提供するためには、家庭全体を支える体制が重要です。
LITALICO発達ナビの役割
LITALICO発達ナビは、発達障害のある方やそのご家族を支えるために、情報を通じたコミュニティ形成を進めています。このような取り組みが、発達障害に対する理解と受容の広がりを促進し、保護者のメンタルヘルスへの配慮も含め、社会全体の支援体制が整っていくことが求められています。今後ますます、発達障害に関する正しい情報を発信し、ポジティブな変化をもたらす活動が期待されます。