シンク・ネイチャーが発表した「GBNAT」とは
株式会社シンク・ネイチャーは、2024年7月31日に生物多様性に関連する支援ツール「GBNAT」をリリースしました。このツールは、「Global Biodiversity and Nature Asset Tool」という名前からも分かるように、企業が自社の生物多様性の状況を把握し、評価できるWebサービスです。
GBNATの機能と特長
GBNATは、シンク・ネイチャーが保有する豊富な生物多様性データと最新AI技術を駆使して、全世界の事業拠点に関する評価レポートを提供します。ユーザー企業は、自社の拠点をマップ上で選択し、生物多様性の重要性や評価指標を設定することで、専門的な観点から分析したレポートを簡単に得ることができます。これにより、企業は生物多様性への取り組みを強化し、持続可能な事業運営を図ることが可能になります。
先行リリースと国際的な評価
GBNATは、2024年7月の正式リリースに先立ち、5月22日から25日にかけてフランス・パリで行われた「VIVA TECHNOLOGY 2024」イベントのJapanパビリオンにて先行リリースされ、デモが行われました。このイベントには、フランスの農業・食料主権副大臣であるアニエス・パニエ=ルナシェール氏が訪れ、GBNATに強い関心を示しました。このような国際的な評価は、GBNATが世界中の企業にとって価値のあるツールであることを示しています。
シンク・ネイチャーの理念と活動
シンク・ネイチャーは、琉球大学発のスタートアップで、生物多様性の研究に深く根ざした専門知識を有しています。彼らは、自然史の研究論文、リモートセンシング、環境DNA調査などから集めたデータをテーマにし、AIを用いて生物関連データのビッグデータ化を進めています。また、金融機関や企業向けに生物多様性への対応支援も行い、持続可能な自然資源利用の促進に寄与しています。
さらなる取り組みとビジョン
今後は、GBNATを通じて企業の生物多様性への理解が深まることで、自然資本の持続的な利用が促進されることが期待されています。シンク・ネイチャーは、今後も新しいサービスや取り組みを通じて生物多様性の重要性を広める活動を続けていくことでしょう。さらに、一般向けには、豊かさを地図で見える化したスマホアプリ「ジュゴンズアイβ版」をリリースし、教育や普及事業にも力を入れています。
おわりに
GBNATの登場は、企業が生物多様性に対してどのようにアプローチするかを変える可能性があります。シンク・ネイチャーによるこの革新的なサポートツールは、ネイチャーポジティブを実現するための第一歩です。生物多様性の理解と管理がもたらすメリットは計り知れません。今後も、シンク・ネイチャーが果たす役割に注目が集まります。