新井紀子による最新著『シン読解力』が登場
株式会社東洋経済新報社が、国立情報学研究所の新井紀子氏による待望の続編『シン読解力』を2025年2月11日にリリースすることを発表しました。この本は、2018年に出版された同著者の『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』の続編であり、教育現場やビジネスシーンでの理解力に関する貴重な知見が詰まっています。
シン読解力とは?
新井氏は「教科書を適切に読み解く能力」を「シン読解力」と名付けました。「シン読解力」がなければ、どんなに努力して多くの科目を学んでも学力は向上しないと指摘しています。この本では、リーディングスキルテスト(RST)から得られた500,000人以上の受検者のデータをもとに、シン読解力が学力に与える影響を分析しています。
RSTのデータに基づくと、衝撃的な事実が浮かび上がります。教科書が理解できていない子どもや、大人が新聞すら正確に読めていない現状です。この「シン読解力」と学力との関連性は驚くほど強いことが示されています。また、シン読解力が不足していると、ビジネスですら生産性が発揮できないことがわかります。「シン読解力」は学校では教わらず、国語や読書とは別のスキルで、トレーニングによって向上可能であると明言されています。
読解力の重要性が高まる現代
ハイブリッドワークが進行する現代、メールやチャットなどのテキストコミュニケーションが増加し、「シン読解力」はビジネスシーンでも必須の技能となっています。高校に進学後、子どもが成績が伸び悩む原因や、ChatGPTを効果的に業務に活用したい大人のニーズに応える手助けを本書は提供します。「読む」「書く」ことに不安を抱える人々にとっては、解決への入口となる内容が豊富に含まれているのです。
目次と内容概要
本書は次の構成になっており、各章でシン読解力の理解を深めるための確かな道筋を示します:
- - まえがき
- - 第1章: チャットGPTの衝撃
- - 第2章: 「シン読解力」の発見
- - 第3章: 学校教育で「シン読解力」は伸びるのか?
- - 第4章: 「学習言語」を解剖する
- - 第5章: 「シン読解力」の土台を作る
- - 第6章: 「シン読解力」トレーニング法
- - 第7章: 新聞が読めない大人たち
- - あとがき
- - トレーニング&コラム
著者 新井紀子氏について
新井紀子氏は、国立情報学研究所 社会共有知研究センターのセンター長であり、教育のための科学研究所の代表理事でもあります。東京出身であり、一橋大学法学部、イリノイ大学数学科を卒業、さらに東京工業大学より博士(理学)を取得しています。数理論理学の専門家として、2011年よりAIプロジェクトに従事し、2016年からは読解力を評価するリーディングスキルテストの開発にも携わっています。数々の賞を受賞した経歴を持ち、教育界での貢献は多岐にわたります。
書籍詳細
- - 書名: シン読解力 / 新井紀子 著
- - 定価: 1,980円(税込)
- - 発売日: 2025年2月11日
- - ISBN: 978-4-492-76267-7
- - 体裁: 四六版/並製/296頁
- - 発行元: 株式会社東洋経済新報社
この新刊は、教育における理解力の新たなスタンダードとして注目されており、多くの人々にとって必要不可欠な知識を提供することでしょう。ぜひ、手に取ってみてください。