日揮HD、国産SAFをエバー航空に供給予定
日揮ホールディングス株式会社が、新たな持続可能な航空燃料(SAF)の供給計画を発表しました。共同事業者であるコスモ石油株式会社とともに、2025年度より台湾のエバー航空に対して国産SAFを供給することに決まりました。このSAFは、合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYが製造し、廃食用油を原料とする国内初の大規模生産品です。
概要と環境価値
国際的な認証制度、ISCC CORSIA認証およびISCC EU認証を取得していることから、原料の調達から供給までを国内で完結する体制が整っていることが評価されました。SAF製造において日揮HDは、原料調達、製造、販売、そして利用に至るサプライチェーンの構築に貢献しており、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを強化しています。
また、日揮HDは、廃食用油を原料にしたSAFの製造がもたらす環境面での利益を広く社会に訴え続けており、脱炭素社会の実現に向けた意識を高めています。
SAFの製造プロジェクトの進展
2020年から始まったこのプロジェクトは、コスモ石油とレボインターナショナルとの共同で進められ、2021年には国立研究開発法人の援助を得て、製造サプライチェーンのモデル構築に向けた試みが着手されました。そして2022年には新会社SAFFAIRE SKY ENERGYが設立され、年間約30,000キロリットルのSAF供給を目指しています。
製造設備はコスモ石油堺製油所に設置され、2024年12月の完工を目指しています。
この設備からは、2025年度からは日本航空や全日本空輸、DHL Express、デルタ航空、フィンエアー、さらにはスターラックス航空などへの供給が予定されています。
今後の展望
日揮HDは、国産SAFのサプライチェーンを安定させるための取り組みを今後も続け、SAFの利用促進に向けた機運を高めていく方針です。この取り組みにより、持続可能な航空燃料が日本国内において広がり、環境負荷の軽減を目指した成長が期待されます。国産資源である廃食用油を有効に活用するこのプロジェクトは、将来の航空産業の発展に寄与する重要なステップとなるでしょう。今後の進展に期待が寄せられています。