ユーグレナとPETRONASが手を組んでバイオ燃料プラントを始動
2025年11月8日、ユーグレナ株式会社、マレーシアのPETRONAS、イタリアのEnilive S.p.A.の3社が、マレーシアのジョホール州ペンゲランにおいてバイオ燃料製造プラントの鍬入れ式を行いました。このプロジェクトは、持続可能なエネルギーの確保を目指し、2028年の下半期に稼働を開始する予定で、地域および国際的な持続可能エネルギー供給に寄与することが期待されています。
バイオ燃料プラントの詳細
本プラントは、Pengerang Integrated Complex(PIC)の一部として、高い効率でアジア市場に向けてのバイオ燃料供給を実現します。年間最大で約65万トンの原料処理能力を誇り、持続可能な航空燃料(SAF)、次世代バイオディーゼル(HVO)、バイオナフサを生産する予定です。具体的には、使用済み食用油や動物性油脂、植物油の加工過程で生まれる廃棄物を活用します。この取り組みにより、廃棄物の有効活用と環境負荷を軽減し、より持続可能なエネルギーの選択肢が提供されることになります。
プロジェクトの重要性
鍬入れ式には、ジョホール州の政府関係者や日本国大使館の代表者も出席し、このプロジェクトの開始を祝いました。ユーグレナ社の出雲充社長は、「このプロジェクトはグローバルな挑戦であり、ASEAN地域の持続可能な未来に貢献するものです」と述べました。また、PETRONASのDatuk Sazali Hamzah CEOは、バイオ燃料プラントの立ち上げが地域の脱炭素化とエネルギー転換において重要なステップであるとの見解を示しました。
各社のビジョン
Enilive社のStefano Ballista CEOは、このプラントが持続可能な製品の供給を促進し、輸送分野の脱炭素化を加速するものであると強調しました。彼は、すでにイタリアと米国で稼働中のバイオリファイナリーに加え、新たな施設を建設中であることを示し、2030年までに年間500万トン以上の生産能力を目指していると述べました。
ユーグレナ社について
ユーグレナ社は、2005年に微細藻類ユーグレナの海外大量培養技術の確立に成功し、持続可能な社会の実現に向けた研究開発を進めてきました。現在は、東京証券取引所のプライム市場に上場し、ヘルスケア事業でも機能性食品や化粧品を展開しています。また、バングラデシュでの「ユーグレナGENKIプログラム」を通じて、栄養問題の解決にも取り組んでいます。
地域の未来へ向けた一歩
今回のバイオ燃料プラントは、ユーグレナ、PETRONAS、Eniliveの3社による国際的な協力の結果であり、地域の持続可能なエネルギー供給を強化する重要な一歩となります。プロジェクトの進行により、より多くの人々に環境に優しいエネルギーの選択肢が提供されることが期待されています。今後の進展が非常に楽しみです。