確固たる意志を貫いた夫と妻の物語
2025年2月14日、倉田真由美さんの新作エッセイ『抗がん剤を使わなかった夫~すい臓がんと歩んだ最期の日記~』が全国の書店およびネット書店で発売される。この本は、著者が亡き夫・叶井俊太郎さんとの日々を、深い思いを込めて綴ったものである。
叶井さんは、2022年5月にすい臓がんと診断されたことから、家族にとっての闘いが始まった。当初は「顔や体が黄色くなる」という症状に苦しむ日々が続いたが、叶井さんは抗がん剤治療を受けずに1年9ヶ月を貫いた。その姿は、がん患者にとっての新たな生き方の希望を示すものであり、周囲の人々にも大きな影響を与えた。倉田さんは、夫の選択が単なる個人の決断にとどまらず、多くの人々に背中を押すものであることを強調している。
「自分の選択をする」という意味
倉田真由美さんは、「日本では一旦がんを発症すると、自分の死に方、生き方が全部医者に丸投げになってしまうケースがほとんど」と指摘し、自分自身の命や人生の在り方を決定することが、どれほど重要であるかを語る。このメッセージは、がんとの向き合い方だけでなく、日々の生き方にも通じるものだ。彼女は「自分で選べるということは当たり前のことではない」と言及し、読者に自らの選択について考えてもらいたいと願っている。
このエッセイには、叶井さんがどのようにして抗がん剤を使わずに闘ったのか、また不足しがちな情報の中で、家族としてどのように支え合いながら日々を過ごしたかが詳しく描かれている。倉田さんは、この640日間を通じて綴った彼の生き様を通じて、多くの人々に勇気を与えることを目指した。
トークイベントでの対話
また、叶井俊太郎さんの一周忌にあたる2025年2月16日には、ジュンク堂書店池袋本店にて倉田真由美さんを招いたトークイベントが開催される。著者は、なぜ夫が抗がん剤を使わなかったのか、その理由と共に家族の過ごした日々について語る予定である。このイベントでは、出版されたエッセイがどのように夫との生活を形作ったのか、またその選択がどれだけの人々に影響を与えるのかを直接聞くことができる貴重な機会となる。特に、抗がん剤を使わずに生活を選択した夫の生き様は、多くの人にとって刺激的で個別的なものとなるだろう。
書籍情報
本書は、四六判208ページで、税込価格は1,650円。発行は古書みつけ、販売元は日販アイ・ピー・エスである。ISBNは978-4-9912997-3-5で、発売日には多くの書店での購入が可能。倉田さんの強い意志と夫の素晴らしい生き様が詰まった本書は、現在の日本に生きるすべての人々にとって、心を打つ一冊となるに違いない。
倉田真由美さんは、1971年生まれの福岡出身。大学では商学を学び、その後は漫画家としてもデビューを果たしている。注目された代表作「だめんず・うぉ〜か〜」など、様々なジャンルで活躍中だ。今回のエッセイを通じて、彼女は再び自らの言葉で新しい物語を紡ぎ出す。ぜひ、2025年の2月14日には本書を手に取って、多くの人に広めてほしい。