海の自由研究ツアーで学んだ子どもたちの生きた体験
2025年7月19日と20日に兵庫県内で、小学5・6年生を対象にした「水産業を学ぼう!\ちょっとスゴイ/海の自由研究ツアー」が開催されました。主催は一般社団法人海と日本プロジェクトinひょうごで、参加した子どもたちは海の恵みを体験しながら、未来の水産業について考える貴重な機会を持ちました。
イベント概要
このイベントは、日常生活で口にする水産物がどのようにして私たちの食卓に届くかを理解するために企画されました。漁業のプロとともに、漁業見学や魚種選別、磯浜観察、さらにはジャンボ巻きずし作りなど、多彩なプログラムが用意されていました。これらの体験を通じて、参加者たちはひょうごの海を守るために何ができるかを一緒に考えました。
漁業の見学と環境観察
初日の活動では、妻鹿漁港から坊勢島へ向かう船の中で漁業に関する基礎知識を学びました。漁師たちが行う定置網漁を間近で見学し、豆アジやタイなどの魚が網に揚がる様子にワクワク。獲れたての魚を触りながら、子どもたちは生きた魚に興味津々でした。漁業が盛んな地域の海を次の世代に引き継ぐための環境調査も行い、水温や塩分濃度、溶存酸素の計測を体験し、自然の大切さを実感しました。
栽培漁業の学習
次に、坊勢島にある中間育成場を訪れ、稚魚の育成について学びました。卵からサカナになるまでの成長過程を知り、環境を守るために人々が行っている努力に感心しました。子どもたちは「どのくらいの期間育てているのか?」や「エサは何を使うのか?」と多くの質問を投げかけ、積極的に学ぼうとしていました。
自然観察の大冒険
昼食後は坊勢海水浴場で自然観察を行いました。参加者は危険な生き物や危険な場所について学びつつ、網や水中眼鏡を手に海に飛び込みました。ハクやクサフグなどの稚魚を発見し、一緒に放流することによって、海の生態系についての理解を深めました。
鮮魚の鮮度保持体験
その後、鮮魚集荷場と製氷冷蔵施設を見学しました。漁師が持ち帰った魚をサイズや種類ごとに分けて価格をつける様子を見学し、魚の鮮度を保つための工夫を学びました。施設内では140kgの氷製造を目にし、冷たさを体験した子どもたちは大はしゃぎ。これらの工夫が、美味しい魚を消費者に届けるために必須であることを理解しました。
水産加工センターの見学
最後に、妻鹿漁港の水産加工センターを訪れ、衛生管理のもとで行われる水産物の加工プロセスについて学びました。実際に体験した漁業の成果をもとに、加工品化についても考えました。
リクリエーションと振り返り
夕食にBBQをしながら、獲れたての魚を味わい、仲間たちとの交流を深めました。振り返りの時間では、水産業の課題点について話し合いそれぞれの解決策を見つけ出しました。最終的には、参加者たちが考えた“オリジナル学習ツアープラン”を発表し、イベントは大成功裏に終了しました。
参加者の声
参加した子どもたちからは、「魚をさばいているところが見られて良かった」とか、「実際に体験することで理解が深まった」との感想が寄せられました。また、保護者からは「体験後に家でも料理してみました」との声もあり、学びの効果を実感されたようです。
おわりに
このイベントは、海とのつながりや水産業の価値を再認識する貴重な機会となったことでしょう。水産業を支え、未来を見据えた環境保護の重要性を感じることができた参加者たちは、きっとこれからの海の担い手として成長していくことでしょう。