ハス再生、地域と共
2024-06-27 14:25:13

「白水阿弥陀堂」のハス再生プロジェクト!子どもたちの想いが地域を動かす!

「白水阿弥陀堂」のハスを守れ!



福島県いわき市にある国宝建造物「白水阿弥陀堂」の浄土庭園に咲くハスの減少に危機感を抱いた地元の小学生たちが立ち上げた「ハス再生プロジェクト」。この活動は、地域住民や行政機関の協力を得て、今では地域全体を巻き込む大きな動きへと発展しています。

きっかけは、いわき市立高坂小学校の児童たちが、社会科見学で訪れた白水阿弥陀堂の浄土庭園で、外来種のアカミミガメが大量に生息していること、そしてそれがハスの減少につながっていることを目の当たりにしたことでした。

「このままでは、ハスが消えてしまう!」

そう思った子どもたちは、自分たちで何かできることはないかと考え、庭園を管理するいわき市の文化財課に手紙を送りました。その手紙には、ハスを再生したいという強い思いと、かつて白水阿弥陀堂住職から贈られたハスの種から育てたハスを、再び浄土庭園に咲かせたいという願いが込められていました。

子どもたちの熱意が地域を動かす!



子どもたちの切実な願いに心を動かされた文化財課は、アカミミガメ駆除などの対策を実施するとともに、令和6年度以降にはハスの植え付けを行うことを約束しました。さらに、子どもたちは、地域にハスの栽培を呼びかける「ハスの花咲く内郷・常磐プロジェクト」をスタートさせました。

地元の学校や公共施設にハスの種を配布し、栽培を依頼。直接足を運び、熱心に説明することで、多くの施設が賛同し、プロジェクトに参加してくれるようになりました。

コロナ禍で学校間の交流が制限される中、オンラインを活用した「ハス栽培についての交流会」を開催。複数の小学校や市の文化財課、公民館、水族館など、様々な機関をネットワークで繋ぎ、ハスの再生について意見交換を行いました。

逆境を乗り越え、地域を繋ぐ



2023年9月には、台風13号接近に伴う線状降水帯による大雨で、白水阿弥陀堂が浸水被害を受けました。子どもたちの自宅も被害を受けた方も多くいました。

しかし、この困難な状況の中でも、ハスの栽培に協力していた5つの施設は、子どもたちがこれまで採取してきたハスの種子を、復興のシンボルとして被災者に配布しました。

「子どもたちの活動は、私たちに希望を与えてくれる」

被災者の方々から届いた心温まるメッセージは、子どもたちの活動への励みとなり、自信へと繋がりました。

社会参画の輪を広げる



「ハス再生プロジェクト」は、地域住民や行政機関の協力を得て、着実に成果を上げています。子どもたちの活動はメディアで紹介され、地域社会に大きな反響を呼びました。

プロジェクトを立ち上げた6年生が卒業後も、後輩たちが活動を継承し、今では全校生徒でハスの栽培に取り組んでいます。

子どもたちの活動は高く評価され、「全国エコ活コンクール」で複数回受賞。さらに、いわき市長への表敬訪問の機会を得たり、市議会で話題になるなど、地域社会に大きな影響を与えています。

未来を照らす希望



このプロジェクトは、子どもたちの主体的な社会参画を育むだけでなく、地域住民の意識改革にも繋がっています。ハスの再生を通して、子どもたちは環境問題への関心を深め、持続可能な社会の実現に向けて積極的に行動する力を身につけています。

「ハス再生プロジェクト」は、子どもたちの想いが地域社会を動かし、未来を明るく照らす希望の光となるでしょう。


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