入間市の温室、ポインセチアが彩るクリスマス
冬の訪れを感じさせるこの季節、埼玉県入間市の温室では約6万鉢のポインセチアが見事に咲き誇っています。篠園芸では、15品種もの多様なポインセチアが出荷の時期を迎え、全国各地のクリスマスを彩ります。これまでの歴史を持つ篠園芸のポインセチア栽培は、その技術と情熱でこの地域を代表する存在となってきました。
温室の魅力、ポインセチアの歴史
日本にポインセチアがやってきたのは明治時代。以来、140年以上にわたって日本の冬に華を添えています。入間市寺竹に位置する篠園芸は、約50年前から商業用ポインセチア栽培を行っており、日本で初めての試みを行った農家の一人です。11月に入ると、温室ではポインセチアが最盛期を迎え、全国へ出荷する準備が整います。
個性豊かな品種の魅力
篠園芸の温室に足を踏み入れると、視界いっぱいに広がる紅の絨毯に圧倒されます。その中には、深紅やクリーム色、ピンク、さらには絞り模様まで、15種類のポインセチアが並んでいます。それぞれの栽培は丁寧に行われ、温度管理や水やりに職人の技が光ります。特にポインセチアは、昼夜問わず温度を15度以上に保つ必要があり、これは生産者による細やかな管理が欠かせません。
埼玉県のポインセチア生産者として
埼玉県でのポインセチア生産は主に児玉地域が知られていますが、入間市の篠園芸は単独生産者として最大級の規模を誇ります。ポインセチアは東京都中央卸売市場にも多く出荷され、商業施設や一般家庭、企業のオフィスなどで多くの人々に利用されています。これも、首都圏に近いという立地を生かした生産の賜物です。
ポインセチアの多様な用途
ポインセチアの価格は幅広く、家庭用の小鉢が1,000〜2,000円、大鉢で4,000〜5,000円程度です。病院のロビーやオフィス、家庭のリビングなど、さまざまな場面で人々に温もりと季節感をもたらします。ポインセチアの赤い部分は「苞」と呼ばれ、実際の花はその中心にある小さな黄色い部分です。この色はキリストの血の色に例えられ、クリスマスの装飾には不可欠な存在です。
未来に向けた取り組み
篠園芸は今後も品質向上と品種拡充を目指し持続可能な生産体制の構築に取り組みます。また、直売所での販売を通じて生産者と消費者の距離を縮め、「顔の見える花づくり」を推進する方針です。入間市も地域農業の魅力発信と生産者支援を強化し、市民や全国へ「入間で育つ花」の価値を届けることを目指しています。
取材のご案内
取材日時は2022年11月21日で、場所は篠園芸です。この冬、皆さんの生活を彩るポインセチア。その魅力的な物語の取材を通じて、人々が感じる温かなクリスマスの風景をお届けします。入間市の魅力あふれる花とともに、より良い未来を描く物語をぜひお楽しみに。