ジオテクノロジーズとJTBが手を結ぶ
ジオテクノロジーズ株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:八剱 洋一郎)と株式会社JTB(本社:東京都品川区、代表取締役社長執行役員:山北 栄二郎)は、新たに持続可能な観光地域の形成を目指し、業務提携契約を交わしました。両社のコラボレーションによって生まれたのが、渋滞情報や人流を可視化する新ツール『トレポト』です。このサービスは10月1日より開始されました。
人流分析ツール『トレポト』の特徴
『トレポト』は、過去の渋滞状況を視覚的に把握できるだけでなく、統計に基づいた渋滞予測をも機能します。特に、ジオテクノロジーズが提供する人流データは、徒歩や自転車、自動車といった様々な移動手段を高頻度(約10秒間隔)で捕捉し、人や車の混雑状況を高精度に分析。その結果をもとに、自治体や観光地域づくり法人(DMO)に対するプロモーション戦略を提案します。観光業界が抱える問題、すなわちオーバーツーリズムや人手不足などに対して、データを駆使して解決を図る狙いがあります。
観光業の現状と課題
近年、日本の観光業はインバウンド需要の回復とともに急成長しており、2024年の訪日外国人客数は過去最高の3,600万人を超える見込みです。しかし、この急成長は同時に数多くの課題を引き起こしています。渋滞や宿泊施設料金の高騰、地域経済への影響などが顕在化してきています。これらの問題を解消するために、ジオテクノロジーズとJTBは渋滞緩和に重きを置いた共同開発に取り組みました。
変更をもたらす『トレポト』の活用例
『トレポト』は、ただの渋滞予測ツールではありません。イベント時の交通影響の可視化や運輸事業の必要性評価にも活用できます。例えば、沖縄県ではレンタカー利用者による渋滞問題が深刻化しており、このツールを用いることで観光客の輸送手段の改善点を見出すことが期待されています。このように、具体的な事例を通して、本ツールの実効性がこれからの観光政策にどのように寄与するのかが注目されます。
一歩先へ行く観光地づくり
ジオテクノロジーズとJTBは今後も『トレポト』を活用し、観光地の持続可能な発展を目指します。最新のデータ分析技術を駆使し、観光地の特性に応じた細やかなプロモーション戦略を策定します。その結果、地域経済の活性化はもとより、訪問者と地域住民双方にとってのメリットを生み出す“三方良し”の観光地づくりを進めていく所存です。
最後に
観光業が直面する課題解決に向けた新しいツールが登場したことで、持続可能な観光地域づくりへの道が開けました。『トレポト』を通じて、さまざまな地域や観光施策が今後どのように発展していくのか、その動向に注目です。持続可能で魅力的な観光地を目指すための新たなステップが始まっています。