ロート製薬、新たな再生医療用培地「StemNavi」を発表
ロート製薬株式会社は、2024年10月9日より、動物由来成分を用いない細胞外小胞(EVs)産生用の新しい培地「StemNavi」を市場に投入します。この新商品は、同社がこれまで手がけてきた「R:STEM」に続く重要な製品です。細胞外小胞は、組織再生を助ける成長因子や細胞間での情報伝達を支える重要な役割を果たしています。
新商品の背景と開発経緯
ロート製薬は、再生医療の研究に2013年から注力しており、動物由来成分を含まないAOF(Animal Origin Free)培地の開発に力を入れてきました。2017年には新潟大学と協力し、肝硬変患者を対象とした治験を開始。また、2020年には「R:STEM」を販売し、幅広く研究機関に利用されています。
今回の「StemNavi」は、2024年4月30日に日本再生医療学会が発表したガイダンスに則り、動物由来成分を含まない培地として設計されました。このガイダンスでは、新しい細胞外小胞等の臨床応用に関する推奨が示されており、今後の研究や治療法における重要な指針となるでしょう。
製品の特長
「StemNavi」は以下の特長を持っています:
- - 動物由来・ヒト由来成分不使用:血清などの動物由来成分を使用しておらず、ウイルスの汚染リスクを軽減。
- - 化学的に定義された成分:純度が高く、細胞培養で安定した環境を提供します。
- - 即時使用可能:Ready-to-use形式で、解凍後すぐに使用できるのが大きな魅力。
- - 抗生物質不使用:培地内には抗生物質が含まれていないため、汚染のリスクがさらに低減されています。
この製品は、500mLの容量で、価格は66,000円(税込)です。研究用であり、診断・臨床用には適していないことに留意が必要です。
日本国内での展開と今後の展望
「StemNavi」の発売地域は日本国内で、グローバル市場への展開も今後計画しています。ロート製薬は、再生医療がより身近で利用しやすいものとなるよう、独自の技術の活用を進めていく方針です。
まとめ
ロート製薬が新たに提供する細胞外小胞培地「StemNavi」は、再生医療の分野でのさらなる進展に寄与することが期待されます。動物由来成分を一切使用しないことで、安全性を一段と向上させる本製品が、今後の研究や治療にどのような影響を与えるのか、注目が集まります。詳しい情報は、
ロート製薬の公式サイトでご確認ください。
公式サイトリンク
この新しい培地が、今後の医療技術の進展にどのように寄与していくのか、ロート製薬の取り組みに期待しましょう。