NYで話題！小売業界の未来形「フィジタル」とは？リアル店舗とデジタル融合の可能性

NY小売業界イベントで注目を集めた「フィジタル」

2023年1月、アメリカ・ニューヨークで開催された小売業界最大級のイベント「NRF 2023: Retail's Big Show」で、大きな注目を集めたキーワードがあります。それは「フィジタル（Phygital）」です。

フィジタルとは、「Physical（物理的な接点）」と「Digital（デジタル技術）」を掛け合わせた造語で、リアル店舗とデジタル技術を融合させた新しいビジネスモデルを指します。インフレや人手不足、気候変動といった逆風の中、小売業界が生き残るための新たな戦略として、大きな期待が寄せられています。

フィジタルが注目される背景

近年、EC（電子商取引）の普及により、消費者の購買行動は大きく変化しました。しかし、リアル店舗は依然として重要な役割を果たしています。

フィジタルは、リアル店舗の利点を生かしながら、デジタル技術を活用することで、より魅力的な顧客体験を提供することを目指しています。具体的には、スマートカートによる無人決済や、AR（拡張現実）技術を用いた商品紹介、パーソナライズされたデジタルクーポンなどが挙げられます。

リアル店舗とデジタルの融合

NRF 2023では、多くの企業がフィジタル戦略を発表しました。例えば、最新のスマートカートは、商品をカートに入れるだけで自動的に決済処理を行うことができるため、レジ待ちの時間を大幅に削減できます。また、AR技術を用いた商品紹介は、消費者が商品をより深く理解し、購買意欲を高めるのに役立ちます。さらに、パーソナライズされたデジタルクーポンは、消費者に特別な体験を提供し、リピート購入を促進します。

日本の企業も注目すべきトレンド

フィジタルは、アメリカだけでなく、日本でも注目すべきトレンドです。日本の小売業界も、ECの普及や少子高齢化、人手不足といった課題に直面しています。フィジタル戦略は、これらの課題を解決するための有効な手段となり得ます。

電通出身コンサルタントの分析

日経クロストレンドに寄稿した電通出身のコンサルタント、吉田雄大氏は、ATRAC株式会社でEC・D2C領域のマーケティングコンサルタントとして活躍しています。吉田氏は、NRF 2023で発表されたフィジタル戦略について、詳細な分析と考察を行っています。

吉田氏によれば、フィジタル戦略を成功させるためには、消費者のニーズを正確に把握し、適切なデジタル技術を選択することが重要です。また、リアル店舗とデジタル技術をシームレスに連携させることも不可欠です。