日米ミドル世代のキャリア意識調査:日本の現状とキャリア自律の重要性
近年、日本の労働市場では、終身雇用や年功序列といった従来の制度が変化し、個人が主体的にキャリアを築いていくことが求められています。特にミドル世代は、これまでの経験を生かしながら新たなステージへと進むため、キャリアに対する意識改革が重要となっています。
株式会社リクルートが実施した「グローバル転職実態調査2023」では、日本のミドル世代(40歳~59歳)のキャリア意識が、アメリカと比べて大きく異なることが明らかになりました。
日本のミドル世代は、キャリアに対して積極的な取り組みが少ない?
調査結果によると、将来のキャリアに対して取り組んでいることが「ない」と回答した日本のミドル世代は47.1%にのぼりました。一方、アメリカのミドル世代では8.5%にとどまり、大きな差が見られました。
具体的な取り組みにおいても、日本のミドル世代はアメリカのミドル世代に比べて、キャリアプランの明確化や目標設定、ネットワーク構築といった行動が少なく、キャリアに対する意識の低さがうかがえます。
キャリアデザインに関する教育不足も課題に
調査では、キャリアデザインに関する教育・研修を受けた経験について、日米間の大きな差が確認されました。
アメリカのミドル世代では、学生時代にキャリアデザインに関する教育・研修を受けたことがある人が多く、キャリアに対する意識が高まっていることがわかります。一方、日本のミドル世代では、学生時代にキャリアデザインに関する教育を受けたことが「ない」と回答した人が80.0%と、アメリカと比べて圧倒的に多くなりました。
日本のミドル世代は、キャリアのアドバイスをもらいにくい?
日本のミドル世代は、職場の上司から仕事やキャリアのアドバイスをもらえない人が多く、キャリアに関する情報収集や相談の機会が少ないことが課題として浮き彫りになりました。
キャリア自律は、仕事への満足度を高める
調査では、キャリア自律できているミドル世代は、仕事への満足度や将来への前向きな姿勢が高い傾向が見られました。キャリア自律とは、自分のキャリアを主体的に考え、行動していくことであり、ミドル世代にとって非常に重要な要素といえます。
ミドル世代がキャリア自律を実現するために
日本のミドル世代は、アメリカに比べてキャリアに対する意識が低く、キャリアデザインに関する教育も不足している現状があります。しかし、キャリア自律は、仕事への満足度を高め、将来への不安を軽減する効果が期待できるため、積極的に取り組む必要があります。
ミドル世代がキャリア自律を実現するために、以下のことを意識することが大切です。
キャリアについて積極的に情報収集する:転職サイトやセミナーなどを活用し、自分のスキルや強みを理解し、将来のキャリアプランを検討しましょう。
上司や同僚にキャリア相談をする:仕事やキャリアに関する相談を、上司や同僚に積極的に行いましょう。自分では気づかない強みや可能性に気づくきっかけになるかもしれません。
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キャリアデザインに関する研修を受ける:キャリアに関する知識やスキルを深めるため、外部の研修を受講してみましょう。
人生100年時代と言われる現代において、ミドル世代は、新たなキャリアを築き、活躍できる可能性を秘めています。今回の調査結果を参考に、自分自身のキャリアについて改めて考えてみてはいかがでしょうか。