JBCRGによるPOSITIVE試験の新たな成果
東京中央区に本拠を2023年に置く一般社団法人JBCRG(Japan Breast Cancer Research Group)は、若年のホルモン受容体陽性乳がん患者を対象とした国際共同臨床試験「POSITIVE試験」の71か月フォローアップ解析結果をAnnals of Oncology誌で発表しました。これにより、治療中でも妊娠を希望する患者にとっての新たな選択肢が示されています。
国際共同研究の背景
POSITIVE試験は、エビデンスの不足が長らく懸念されていたエリアで、特にホルモン受容体陽性乳がんの治療において、妊娠の可能性についての科学的な裏付けを行うものです。乳がん治療を受ける女性が、出産希望を持つことは多く、治療期間中の避妊が必要なため、妊娠のタイミングが大きな問題となっています。この試験は、術後に内分泌療法を一時的に中断し、妊娠を試みることの安全性を前向きに評価する初の国際共同研究であり、世界20カ国で実施されました。
71か月フォローアップの結果
今回発表されたデータでは、次の成果が発表されました:
- - 内分泌療法を中断しても、乳がん再発リスクの顕著な上昇はないことが確認されました。
- - 妊娠・出産のアウトカムは非常に良好で、参加者の3分の2以上が生児を得る結果となりました。
- - 妊孕性温存療法を受けた参加者においても、再発リスクの上昇は見られませんでした。
研究の意義
本研究結果は、若年乳がん患者に「治療と妊娠の両立」が可能であることを科学的に証明するものです。これにより、今後の診療ガイドラインや臨床現場における意思決定にも影響が出ると考えられています。特に、再発リスクの評価においても新たなエビデンスが提供され、医療現場での判断を助ける貴重なデータとなります。
JBCRGの役割と今後の展望
JBCRGは、POSITIVE試験における日本の患者参加を推進し、若年乳がん患者の治療選択肢の拡充に寄与しています。今後はさらなる長期的な安全性の確認や、若年乳がんに関する本态の解明を目指して研究を進めていく予定です。また、2026年11月には、若年性乳がんをテーマにした国際会議「The 3rd International Conference on Young Women’s Breast Cancer and Health」を東京で開催予定で、こうした研究成果がさらに多くの専門家に共有される機会となります。
このように、神経質だった妊娠と治療の両立に関する研究は、新たな可能性を切り開いています。今後の研究成果が若年乳がん患者の生活の質を向上させることを期待しています。