伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、最新のクラウドネイティブオブザーバビリティツール「Figues Owl」を発表しました。この新しいソリューションは、企業がクラウド環境でのSAP Cloud ERPシステムの運用状況をより効率的に管理できるようサポートします。「Figues Owl」は、SAP Cloud ERPの利用状況を一元的に観測するための画期的なプラットフォームです。
背景
このクラウドERPの導入が進む中、特に注意が必要なのは運用管理の負荷です。SAPが提供するオンプレミス型のERPシステム、SAP ECC6.0のサポートが2027年に終了するため、多くの企業はクラウド型のSAP Cloud ERPへのシフトを行っています。しかし、個々のシステムの稼働状況を把握する必要があり、これが運用の負担を増加させています。そうした課題に対処するために開発されたのが「Figues Owl」です。
Figues Owlの特徴
「Figues Owl」は、CTC独自の「Figues」ブランドの一環として登場しました。このツールは、SAP Cloud ALMとNew Relicの協力によって、クラウドERPの観測と可視化を実現します。SAP Cloud ALMはアプリケーションの導入から運用までを支援するライフサイクル管理ツールであり、一方New Relicはシステム全体をリアルタイムで監視し、CPUやメモリの稼働状況、イベント、ログなどの情報を収集する基盤です。
この2つの技術の組み合わせにより、運用担当者は稼働状況の把握や障害対応、リソース最適化を一箇所で管理できるようになり、特に障害時の迅速な原因特定が可能となります。これにより、システムの複雑な構成においても、障害発生場所を容易に見つけることができ、復旧時間が短縮されるのです。また、メモリ利用状況を時系列に追跡できるため、コストの最適化にもつながります。
企業への影響
この新しいツールが特に注目されるのは、複雑化したシステムに直面している企業にとって運用負荷軽減に貢献する点です。「Figues Owl」は、監査やコンプライアンス要件を満たすために最大7年間のログ保管にも対応しており、運用を簡素化しつつ、安心して運用が行えます。CTCは、国内では初めてSAP Cloud ERP向けに特化した観測基盤を築き、AWSやAzure、GCPなどとの連携にも対応しています。
提供形態としては、顧客の環境への導入やCTCによる運用代行など、柔軟な選択肢を用意しています。これにより、企業は自社にとって最適な形でクラウドERPを運用できるのです。
未来の展望
CTCは、今後もクラウドネイティブやAI Ops技術をSAPの領域に拡張し、さらなる運用効率化とビジネス価値の創出を追求する方針です。また、「Figues」シリーズを通じて、企業のビジネスニーズに応じた柔軟なサービス提供を行っていくことでしょう。
CTCとNew Relicによる新しい協業がもたらす「Figues Owl」は、企業のクラウドERP運用を大きく変える可能性を秘めています。今後の展開に注目が集まります。