岸田総理、AI戦略会議での国際ルール構築を強調
岸田総理、AI戦略会議で国際的ルールメーキングを強調
令和6年8月2日、岸田総理は総理大臣官邸にて第11回AI戦略会議と第1回AI制度研究会の合同会議に出席しました。この会議では、人工知能(AI)に関する政策の現状や制度上の課題について活発な議論が展開されました。
総理は会議の中で、参加者に感謝の意を示しつつ、今回の会議が重要なキックオフとなることを強調しました。「日本政府は昨年から国際的なルール作りに向けてスピード感を持って取り組んできました。特に、広島で合意されたAIに関する国際的な指針については、賛同国が50を超えるまでに広がり、信頼できるAIの実現に向けて重要な役割を果たしています」と述べました。
さらに総理は「国内におけるAIのリスクへの対応も非常に重要です。AIの安全性を確保できるよう、ガイドラインを設けて柔軟かつ迅速に対応しています。しかし、今後の制度に関してももっと議論が必要です」と語り、法制度の役割についても言及しました。
AI戦略の基本原則
岸田総理は、今後のAI制度設計に向けて重要な基本原則を4つ挙げました。まず1つ目は「リスク対応とイノベーション促進の両立」です。AIの安全性を確保するための対策を講じながら、イノベーションにも配慮していくことが求められます。
2つ目は「技術・ビジネスの変化に対応できる柔軟性」です。AI技術は急速に進化するため、制度もそれに応じて適応しなければならないと述べました。
3つ目は「国際的な相互運用性と指針への遵守」です。国際的な基準に基づく取り組みを推進していくことが期待されています。そして最後の4つ目は「政府によるAIの適正な調達と利用」です。政府がAIを適切に活用することが、他の事業者にとっても大きな波及効果をもたらすとしています。
未来に向けた議論の意義
岸田総理は「AIは多種多様な使われ方があり、技術革新のスピードも速いことから、予測が難しい未来を見据えつつ、専門家の知見を集約して議論を進めていきたい」と述べ、会議の重要性を再確認しました。また、これからのAI社会において、日本がリーダーシップを発揮できるよう取り組んでいく意向を明らかにしました。
この会議は、国内外におけるAIの進化に対応するために必要な土台作りを促進するものであり、日本が今後どのようにAIを安全に利用していくのか、期待が高まります。