職場のハラスメント対策を新たな形で
職場でのハラスメント問題は年々深刻化しており、厚生労働省の調べでは2023年度の相談件数が過去最高を記録しました。従来の対策方法では限界があり、実際のところ企業はどのようにこの課題に取り組むべきか迷っています。そこで、一般社団法人日本ABAマネジメント協会が開発した新しいツール『ハラスメントゼロカード』が登場しました。このツールは、行動科学に基づく新たなアプローチで、職場のハラスメント対策を一新します。
開発の意図と背景
新開発のハラスメントゼロカードは、明星大学心理学部の竹内康二教授の監修のもと、応用行動分析学(ABA)の視点が取り入れられています。近年、企業内でのハラスメント防止について様々な取り組みが行われていますが、実践における「どう関わればいいのか?」という具体的な方法論が不足していました。多くの企業は、具体的な行動指針を持たずに現場の事情に悩まされているのが実情です。
このような課題を踏まえて、ハラスメントゼロカードはただの知識としての学習ではなく、実際の行動に変えていく「体験」を通じた学びを提供します。具体的には、ポジティブな組織風土を育むことを目的として、不適切な行動を単に罰するのではなく、それを引き起こす背景や理由を理解するためのツールとして設計されています。
体験型カード教材の特徴
このカード教材は、参加者同士のロールプレイを通じてハラスメントへの理解を深めます。具体的には、以下の三種類のカードを用います。
- - 行動カード:ハラスメントにつながる具体的な行動を提示し、それが起きる背景を探ります。
- - 機能カード:その行動が発生する理由や意図を分析します。
- - アイディアカード:ハラスメントに代わる適切な関わり方のアイデアを出し合い、実践に結びつけます。
これにより、参加者は「なぜその行動が起きたのか?」を考える力を養い、従来の「叱責」ではなく、相手とのコミュニケーションを円滑にするための技術を学べます。
実際の研修プログラム
企業向けの研修は、脱座学型の体験型プログラムとして展開されています。基本的には120分の中で説明からロールプレイ、振り返りまでを行う構成ですが、対象者や実施時間に応じた柔軟なプログラム設計が可能です。そのため、全従業員や特定の管理職、新入社員向けにカスタマイズできます。加えて、研修後には参加者の行動変化をフォローアップするサービスも用意されており、組織全体のハラスメント対策を長期的にサポートします。
受講者たちの声
実際に研修を受けた参加者からは、「同じテーマなのに異なるカードを引くことで、新しい視点が得られ、ハラスメント減少に向けて楽しく考えられた」という意見や、「実際に役割を体験することで、受けた側の心の衝撃を体感でき、身近に考えるきっかけになった」との声も寄せられました。また、その他の参加者からは、従来の座学の退屈さがなく、主体的に自分の行動を振り返ることができたとの感想もありました。
まとめ
『ハラスメントゼロカード』は、教育だけでなくコミュニケーションとしての存在意義も持ったツールです。今後ますます重要性が増すハラスメント対策に対して、この新しいカード教材がどのように企業に浸透し、実践されていくのかに注目です。