手足口病の流行をデータで明らかにする新しい解析結果
手足口病は、特に幼児に流行する急性ウイルス感染症で、最も顕著な症状には口腔内や手足に現れる水疱性の発疹があります。毎年夏には流行を見せ、特に7月下旬にそのピークを迎えることが知られています。2024年7月現在、メディアでは手足口病に関する報道が増加しており、保育施設や幼稚園では学級閉鎖が相次いでいます。
この状況を受けて、私たちの会社は独自に保有しているメディカルビッグデータ「REZULT」を用いて、手足口病の流行状況を解析する独自調査を実施しました。
患者数の年別推移
最初に、過去数年間の手足口病の患者数の推移を見てみましょう。2019年から2023年のデータを分析した結果、2020年に患者数が急激に減少していることが確認されました。この年は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、外出制限やマスク着用などの感染予防策が広く実施されたため、手足口病の感染が抑制されたと考えられます。
一方で、患者数が減少したにも関わらず、全レセプト件数は昨年対比で91.9%減少しており、医療機関への受診控えが患者数の減少に寄与している可能性も示唆されています。今年の患者数は2014年以降で最も多かった2019年と似た傾向を示しており、大規模な流行が予想されます。
三大夏風邪との比較
手足口病は、夏に流行する感染症の一部で、ヘルパンギーナや咽頭結膜熱(プール熱)と共に子どもの三大夏風邪として知られています。2022年のデータを元に、これらの感染症と手足口病の月別患者数推移を比較すると、7月から9月にかけて患者数が増加する傾向が見られます。
特に手足口病の患者数が最も多く、感染が猛威を振るう状況が伺えます。感染が広がりやすい夏季の特徴がここで強調されます。
年代別の患者数
手足口病は主に幼児に見られますが、2022年の年代別患者数を分析すると、9歳以下の子どもが圧倒的に多いことがわかります。しかし、意外にも30代の患者数も目立つことに驚かされます。これは、幼い子どもを持つ親の年齢層が影響していると考えられ、家庭内での感染対策の重要性も浮き彫りにされます。
まとめ
このように、手足口病の流行は年々変化しており、特にコロナ禍を経て増加傾向に転じています。一般的な感染防止策である手洗いや適切な排泄物処理は、手足口病の予防においても重要です。日常的に感染症対策に気を配り、健康を守ることが求められます。
本調査結果は、当社のメディカルビッグデータ「REZULT」に基づいており、今後も健康増進のためのデータ活用を推進していきます。ただの数字ではなく、私たちの生活に直結する情報として、手足口病の流行を理解する手助けとなれば幸いです。