入れ歯供養を通じた地域への災害支援活動の取り組み
北海道札幌市に位置するコンフォート入れ歯クリニックが、入れ歯供養に関する新たな取り組みを行っています。これまで6年にわたり、供養された入れ歯や差し歯を換金し、その浄財を地域の災害支援団体に寄付してきました。災害がいつ発生するか分からない今、地域社会への支援の必要性がますます高まっています。
災害支援と入れ歯の供養祭
毎年行われる入れ歯供養祭は、単なる供養だけでなく、地域への恩返しの場としています。2024年には21万5千円以上の浄財が集まり、地元の災害支援団体「北の国災害サポートチーム」へ寄付される予定です。この寄付は、北海道胆振東部地震の際の経験を生かし、被災者の支援活動に役立てられることが期待されています。
淋しい思いを抱える遺族のために
この供養祭には、多くの遺族が参加し、故人を偲んで入れ歯を供養します。中には、「親の入れ歯を棺に入れたかったができなかった」という声もあり、供養を通じて心の整理をしたいと思う方もいます。その思いを浄財という形で災害支援に活かすことで、故人とその家族に寄り添った支援が実現されます。
誰もが災害に備えるために
コンフォート入れ歯クリニックでは、地域の安全に貢献すべく様々な取り組みを行っています。「入れ歯銀行」と呼ばれるサービスでは、全国の歯科医院と協力して入れ歯のデータを無料で預けています。これにより、万が一の際も迅速に新しい入れ歯を提供できる体制が整っています。
さらに、2024年には「入れ歯銀行バス」を運行する計画も進行中で、移動できる診療所として無歯科医地区への出張も可能になります。バスはソーラーパネルを搭載しており、災害時の治療にも利用できるため、切迫した時に役立つでしょう。
院長の思いと今後の活動
院長の池田昭氏は、「入れ歯は体の一部であり、それを活かす新たな道を模索している」と語ります。供養した入れ歯を通じた災害支援が、故人や遺族にとっても喜ばれる事業であると信じています。今後は、より多くの方にこの取り組みを知ってもらい、入れ歯データ保管サービスの利用促進を図る計画です。
支援金目録贈呈式のご案内
支援金目録の贈呈式は2025年1月23日(木)にコンフォート入れ歯クリニックで開催されます。地域との結びつきを強くし、この取り組みを通じて多くの方々に災害支援の必要性を認識していただけるよう努めていく所存です。
私たちの地域を守るために、少しずつですが大きな一歩を踏み出していきましょう。