フルリモート勤務の実態調査
昨今、リモート勤務の浸透が進んでおり、フルリモート勤務に対する関心が高まっています。通勤の不要さや、物理的なオフィスからの解放は多くの人にとって魅力的な要素と言えるでしょう。しかし、給与面での妥協をどこまで許容できるのか、気になるところです。今回は、フルリモート勤務を希望する人々の傾向とその背景について深掘りしてみました。
調査概要
本調査は2024年4月26日から4月30日にかけて実施され、全国の20歳から65歳までのテレワークやリモートワークを経験した男女1001名を対象に行われました。目的は、リモート勤務の人気の理由とともに給与に対する考え方を明らかにすることです。
フルリモート勤務への希望は高まる
調査結果によると、37.1%の人々がフルリモート勤務を希望しない一方で、60.9%の人がフルリモート勤務を希望していることが分かりました。これは、今後の働き方の選択肢として、フルリモート勤務が過半数の支持を得ていることを示しています。
特に興味深いのは、男女による希望の違いです。男性の58.3%がフルリモートを希望する一方で、女性ではその割合が63.8%となり、女性の方がフルリモート勤務を願う傾向が強いことが分かりました。
さらに年代別に見ると、20代のフルリモート希望者は73.1%と特に高い数字を示しました。年齢が上がるに連れて少しずつ希望する割合は減少し、60代では48.6%にまで落ち込むことが明らかになりました。これは、年齢とともにオフィス勤務への順応性が高まる影響が考えられます。
給与への妥協
次にフルリモート勤務における給与の条件への妥協について調査しました。結果、54.8%の人が給与が減るといいながらもフルリモート勤務を希望しています。ただし、減額を受け入れる範囲は狭く、25.4%は「たった3%までなら」と言っており、13.9%は「5%までなら」と回答。極端に大きな減額には抵抗感があるようです。一方で、なんと2%の人々は「30%以上の減額を受け入れてもよい」と語っており、フルリモート勤務の魅力がその圧倒的な影響力を持っていることが示されています。
興味深いのは、男女の反応の違いです。フルリモート勤務を希望するかの質問で、その割合が女性で高い結果が見られた一方、給与削減に対する許容度に関しては、最も多くの女性が「希望しない」と回答していることです。
メリットとデメリット
では、フルリモート勤務においてどのようなメリットを感じているのでしょうか。男性の回答で最も多かったのは、通勤時間の削減です(57.5%)。続いて、混雑や遅延による通勤ストレスの解消(40.9%)や、オフィスという物理的環境から解放されること(38.1%)が挙がっています。さらに、家族やペットと過ごす時間が増えること(32.0%)、睡眠時間の確保(29.8%)と続きます。
女性の回答でも同様に通勤時間の削減が最も関心を集めており、73.2%が挙げました。混雑や遅延のストレス(58.2%)も大きな理由の一つです。環境のストレスを減らすこと(51.6%)、睡眠時間の増加(37.9%)、家族との時間(35.3%)が続きます。男女問わず、フルリモート勤務に求めるメリットが共通していることがわかりますが、女性の方が回答率が高い点も注目です。
企業の対応が求められる時代
多くの企業がオフィス回帰を進めている今、リモート勤務に魅力を感じつつある人々の希望に対して、どのように対応するかが今後のカギとなるでしょう。特に給与が減少する可能性があってもフルリモート勤務を希望する声が多く、意外と給与と働き方のバランスを柔軟に扱うことで、企業にとっても大きなメリットを生む可能性があります。
テレリモ総研は、この動向を観察し、調査を続けていく方針です。リモートワークがより広範に受け入れられる社会を目指して、多くの情報を発信し続けます。今後の調査結果に注目してみてください。