食品ロスを減らす新たな試み
日本が直面している食品ロスの問題は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)でも重要視されています。この課題に真剣に取り組む方針のもと、国士舘大学政経学部と株式会社G-Placeが協力し、「フードシェアリングシティを構想せよ!ミッションin国士舘大学」というプロジェクトを推進しました。この活動は2024年5月から12月の間に行われ、最終発表会が2024年12月18日に行われました。
プロジェクトの概要
本プロジェクトでは国士舘大学に所属する学生たちが、東京23区を対象に食品ロスの実態調査を行いました。プロジェクトの目的は、各区に理想的なフードシェアリングシティの構想を示すことです。具体的には、環境部署から協力を受けたアンケート調査や、実際に「タベスケ」を運用する八王子市の実例発表を通じて、地域の食品ロス問題に対する理解を深めました。
期間ごとの活動内容
プロジェクトは、春、夏、秋の3つのフェーズに分かれています。
1.
春期(5月〜7月): 基本調査と中間報告会を経て、食品ロスというテーマの理解を深めました。
2.
夏期(8月〜10月): アンケート調査を実施し、集計・分析を行いました。
3.
秋期(11月〜12月): 先行事例の調査を行い、最終報告会に向けた準備を重ねました。
国士舘大学の赤石秀之教授は、「学生たちはグループでテーマを掘り下げ、教員やG-Placeの実務的な支援とともに、深い理解を得ることができました」と、その成果を振り返ります。特に、帝京平成大学からの参加もあり、議論が一層広がったことが評価されています。
「フードシェアリングシティ」の意義
「フードシェアリングシティ」とは、食品ロスを削減するために自治体がフードシェアリングサービスを利用し、地域単位での経済効果と活性化を図る概念です。この取り組みにより、地域の事業者や住民の食品ロスに対する意識が向上し、持続可能性が高まることを目指します。
プロジェクトの結果、参加者たちはフードシェアリングの必要性とその可能性を実感しました。最終報告会では、各ゼミからの構想案が発表され、参加者たちは活発な意見交換を行いました。
今後の展望
G-Placeは、プロジェクトを通じて得たデータを以て、今後も自治体や教育機関との連携を深め、食品ロス問題の解決に向けた取り組みを強化する意欲を示しています。また、全国25の自治体で運用されているフードシェアリングサービス「タベスケ」を通じて、さらなる施策の推進と活用方法の見直しに取り組む予定です。
このように、国士舘大学とG-Placeの連携プロジェクトは、地域の食品ロス削減に向けた新たな挑戦の一環として位置づけられています。今後もこの取り組みが広がることを期待しています。
食品ロス問題の重要性
世界では毎年約13億トンの食品が廃棄されており、これが温室効果ガスの排出の一因ともなっています。日本でも食品ロスの量は年間472万トンに達し、SDGsの12番目の目標に沿ってこの問題に対処する必要があります。こうした背景の中で、国士舘大学とG-Placeによる取り組みは、持続可能で健全な社会の実現に向けて大きな貢献を果たすことでしょう。