ブラジルに本拠を置くフィンテック企業、EBANX(イーバンクス)は、日本市場への本格的な進出を進めています。同社は、オンラインゲームを中心とした日本の企業に対して、越境決済サービスを提供することで、これまで以上に強化された支援を行う計画です。特に、2024年に開催される東京ゲームショウでの商談に向けて、段瑋(Duan Wei)氏が指揮を執る中、日本のゲーム会社と具体的なビジネスの連携を図ることを目指しています。
EBANXは、母国ブラジルでの豊富な経験を背景に、南米やアフリカの新興市場に特化した決済ソリューションを提供することで注目されています。クレジットカード、デジタルウォレット、即時決済システムなど、各国の商習慣に応じた多様な決済手段を考慮し、国境を越えた商品販売をサポートしているのです。このようなサービスは、特に新興国の多様な消費市場において、企業が迅速に適応するのに役立ちます。
段氏は、同社のサービスの競争力について新興国市場におけるニーズにしっかりと応えられる点を強調しており、データから多くの消費者が中南米において日本のコンテンツに高い興味を示していることも示唆しています。最近の調査によると、2023年には中南米のデジタルユーザー数が前年比で3.5%増加すると予想されています。これは、アジア太平洋地域やアメリカ合衆国の増加率を上回る数字であり、中南米市場の成長ポテンシャルの高さを裏付けるものです。
EBANXは、業界での知名度を生かし、すでにSONYなど日本の企業との取引をスタートしています。今後は、特にゲーム業界における新規顧客の開拓を強化し、より多くの企業との連携を図る方針です。段氏は「多くの日本企業が未開拓の市場として中南米を見直すべきだ」とし、市場進出を支援する自社の弾力性について語りました。
東京ゲームショウでの取り組みは、EBANXが提供するローカライズされた決済手段や、効率的なビジネス運営を支援する技術的なサポートによって、企業が新たな収益源を開拓する一助になると同社は考えています。特に、ゲーム業界では、英語やポルトガル語を使用したゲームコンテンツが既に好評を博しており、日本のゲーム会社がこの流れに乗ることが期待されています。
さらに、EBANXは、これまで培ったノウハウをもとに、消費市場に関する深い洞察をクライアントに提供し、パートナーとしての信頼を勝ち得ています。これまでにSHEINやSpotifyなどの企業が同社のサービスを利用しており、これからも新しい顧客の拡大を狙っています。段氏は、アジア太平洋地域において変動の大きい市場の動向を敏感に捉えながら、EBANXの成長を続ける意向を示しています。
今後の展開として、EBANXは日本市場への本格的な支援を通じて、新たな顧客の獲得に向けた努力を惜しまない予定です。中南米の市場での成功例を増やしつつ、さらに多くの業務へとスケールアップを目指す考えです。国内外での商談は非常に重要な鍵を握っており、EBANXのさらなる成長が期待されます。