食品ロス削減月間に始まる新たな寄贈モデルの実証実験
2024年の10月から11月にかけて、ネッスー株式会社が株式会社ライフコーポレーション及び一般社団法人サスティナブルフードチェーン協議会(SFA)と共同で、食品ロス削減を目指す寄贈モデルの実証実験を開始します。この取り組みは、小売店舗で発生するまだ食べられる食品を有効活用し、同時に社会的な貧困の問題も解決しようとするものです。
日本の食品ロスとこどもの貧困の現状
日本では、年間約472万トンの食品がロスとなり、その中で小売店からのロスは約49万トンに上ります。小売店は需要予測を工夫するなどし、食品ロスを減少させる努力を続けていますが、廃棄ゼロにすることは難しいのが現状です。特に、9人に1人の子どもが相対的貧困状態にあるという事実は、社会の重要な課題であり、早急な対策が求められています。
この実証実験では、ライフコーポレーションの店舗で、賞味期限や消費期限が近づいた農産物や日配食品を、貧困家庭やこども食堂に寄贈します。こうした活動を通じ、食品ロスの削減と子どもへの支援を同時に行うことが狙いです。
実証実験の具体的な内容
実施店舗はライフ扇大橋駅前店で、期間は2024年10月7日から11月30日までとなります。ライフの店舗スタッフが廃棄予定の食品から寄贈可能な商品を厳選し、冷蔵庫に格納します。地域のこども食堂やひとり親家庭が、専用のマッチングサイトを通じて必要な商品を選び、ポイントを使って受け取ります。この流れにより、店舗で発生する食品ロスの約80%を寄贈に回すことが期待されています。
地域のこども食堂との連携
参加するこども食堂は「こども食堂がるまる」や「子ども村ホッとステーション」など、既に多くの支援を行っている団体です。これらの団体は、食品寄贈によって地域資源を活用し、より多くの子どもたちに食事を提供することが可能になります。また、こども食堂がるまるの代表、宮本氏は「生鮮食品を得る機会が減少している中、この取り組みに非常に期待しています」と述べています。
目指す未来とさらなる展開
実証実験の実施を通じて、ネッスーとライフコーポレーション、SFAは、寄贈モデルの確立とその後の全国展開を目指しています。これによって、ただ食品ロスを削減するだけでなく、地域社会の福祉向上にも寄与することを目標としています。
このような取り組みは、環境問題に取り組む一環として非常に意義深く、他地域へと波及することが期待されています。持続可能でより良い社会を目指すために、私たち一人ひとりができることを考えて行動することが求められています。