鎌倉の朝と夜の観光、情報活用で体験向上へ向けて
鎌倉市は、観光客のニーズに合わせたより良い体験を提供するため、宿泊者に関する行動・意識調査を行いました。この調査は、株式会社Koeeruと鎌倉市観光協会の共同プロジェクトとして実施され、919人の宿泊者からの声を集めました。
調査の概要
調査は2024年度に実施され、宿泊者の目的や行動傾向を明らかにすることを目的としています。これにより、観光施策の改善や情報発信の強化につなげていく考えです。
- - 期間: 2024年4月から2025年3月
- - 対象: 鎌倉市内の宿泊施設を利用する観光客
- - 回答者数: 919人
- - 主要言語: 日本語、英語、中国語、韓国語
国内旅行者と訪日外国人の傾向
国内旅行者の行動
調査の結果、国内旅行者は全体の71.9%を占め、そのほとんどが東京都、神奈川県、埼玉県から訪れています。主な観光目的は、神社仏閣巡りとグルメであり、具体的には鶴岡八幡宮や小町通りなどが人気のスポットです。
訪日外国人の行動
訪日外国人は28.1%で、特に中国、韓国、アメリカからの旅行者が多く見られました。彼らも神社仏閣巡りを重視していますが、加えて海のアクティビティも人気で、江の島への訪問が目立っています。これは鎌倉が海との距離が近いことからでしょう。
朝と夜の過ごし方
宿泊者の朝の活動は「街や自然散策」、「朝食」、そして「社寺の早朝拝観」といった目的のある行動が多いことがわかりました。一方、夜はアクティブな行動が少なく、静かに過ごすニーズが高まっています。これは、観光客がリラックスした時間を求めていることを示しています。
宿泊理由と食の傾向
宿泊理由として上位に挙げられたのは、アクセスの良さや長期滞在による深い観光体験です。多くの宿泊者が外食を通じて旅を楽しむ傾向にあり、和食が特に人気を集めています。ディナーは予約なしの飲食店が最も多く、宿泊先以外での食事が重視されています。
情報提供が鍵
宿泊者からの自由記述による要望の中で、朝や夜の観光情報が求められていることが際立っています。具体的な朝食の情報や夜のグルメについての案内が不足しているとの声が多く、これを改善することで、宿泊者の満足度を高める可能性があります。
今後の展望
今回の調査結果は、今後の観光施策に活用される予定です。さらに宿泊客だけでなく、日帰り観光客の意見も収集し、観光業の発展につなげていく考えです。朝や夜の時間帯に充実感をもたらすための情報整備が、今後の鍵となるでしょう。
調査結果は四半期ごとに公開され、地域住民やメディアとの対話を促進していく方針です。これにより、観光客からの意見を真摯に受け止め、より良い鎌倉の観光体験を追求していきます。
この調査が示すように、観光業の成功には、観光客の声を的確に理解し、適切な情報を提供することが不可欠です。それにより、鎌倉のさらなる魅力発信が期待されます。