国立大学法人岡山大学(岡山市北区)は、2025年10月28日から30日にかけて英国で開催される国際教育会議「Going Global London 2025」に、横井篤文副学長が登壇することが決まりました。この会議は、英国政府の国際交流機関であるブリティッシュ・カウンシルが主催し、世界中の高等教育機関が一堂に会する重要なイベントです。
横井副学長は、公式セッション「Balancing Acts: free speech, inclusion, and the evolving role of universities」において、パネルディスカッションに参加し、大学における表現の自由とその役割について意見を述べる予定です。このセッションでは、英国貴族院の元党首であるブレイズドンのロワイヤル男爵夫人が総合司会を務め、エクセター大学副学長のRajani Naidoo教授や、ベルギー・ナミュール大学のAnnick Castiaux教授、南アフリカ・ネルソンマンデラ大学副学長のAndré Keet教授と共に議論が行われます。
会議の主要テーマは、現在の危機を乗り越え、将来の成長に必要な資質であるレジリエンス、価値、イノベーションです。このテーマを通じて、高等教育機関が国際的な連携の重要性を再確認し、社会経済的な進展にどのように寄与するかを探ります。
横井副学長は、教育の国際化が進む中で、表現の自由とキャンパス内の健康な関係を維持するための新しい枠組みが求められていると指摘。彼は、アフリカの哲学であるUbuntuや、日本の仏教から得る知恵を再評価し、人間と自然の共生の重要性を強調します。「言論の自由は孤立するものではなく、互恵的な関係、共感、多様性、地球への配慮を基盤とするものと考えるべきです」と述べ、大学は個人の自由と地球の幸福を調和させる場であるべきだと提案しました。
岡山大学は今後もユネスコチェアを通じて、地域との連携を強化し、高等教育機関が持つ社会的な役割を深く掘り下げ、地域と地球全体のウェルビーイングを推進していく方針です。この取り組みは、同大学が持つ特色ある研究大学としてのアイデンティティを強化すると同時に、地域の新たな価値を創出し、未来の社会を共に築くための重要なステップです。
岡山大学は、SDGs(持続可能な開発目標)を支援することを通じて、地域社会の持続可能性の向上にも寄与しています。国連の「ジャパンSDGsアワード」で特別賞を受賞した実績も持つ同大学は、今後も地域中核教育機関として、さらなる発展を目指し続けます。
今後の岡山大学の取り組みに大いに期待が寄せられています。国際的な視点を持ちながらも、地域との対話を重視し、未来の教育と社会のあり方を模索し続ける岡山大学の活動から目が離せません。