建設工事紛争審査会、令和5年度の処理状況を発表 - 申請件数は前年度比で増加
建設工事紛争審査会、令和5年度の処理状況を発表 - 申請件数は前年度比で増加
国土交通省は、令和5年度の建設工事紛争審査会の処理状況を発表しました。
建設工事紛争審査会は、建設工事の請負契約に関する紛争を裁判によらずに簡易・迅速・妥当に解決するための機関です。国土交通省と各都道府県に設置されており、建設業法に基づいて活動しています。
令和5年度の全国(中央+都道府県)の申請件数は143件で、前年度比42件増となりました。前年度からの繰越件数は106件でしたが、令和5年度の終了件数は124件となり、差し引きの結果、次年度繰越件数は125件となりました。
申請件数を当事者類型別にみると、個人発注者から請負人への請求が最も多く43件でした。紛争類型別では、工事代金の争いが最も多く、67件となっています。
中央の申請件数は42件で、前年度比12件増となりました。中央の申請件数を当事者類型別にみると、個人発注者から請負人への請求が最も多く17件となっています。紛争類型別では、工事代金の争いが最も多く17件となっています。
国土交通省は、建設工事紛争の早期解決に向けて、引き続き、建設工事紛争審査会の活動強化に取り組んでいくとしています。
建設工事紛争審査会とは?
建設工事紛争審査会は、建設工事の請負契約に関する紛争を、裁判によらずに簡易・迅速・妥当に解決するための機関です。建設業法に基づいて設置されており、国土交通大臣が設置する中央建設工事紛争審査会と、各都道府県知事が設置する都道府県建設工事紛争審査会の2つがあります。
建設工事紛争審査会の役割
建設工事紛争審査会は、建設工事の請負契約に関する紛争について、次の役割を担っています。
紛争の調停
紛争の仲裁
紛争に関する意見の聴取
紛争に関する情報の提供
建設工事紛争の増加
近年、建設工事の紛争は増加傾向にあります。これは、建設業界の競争激化や、建設工事の複雑化などが要因として挙げられます。
建設工事の紛争は、当事者双方にとって大きな負担となります。そのため、建設工事紛争審査会は、紛争の早期解決に貢献することで、建設業界全体の健全な発展に寄与しています。