善光寺境内に設置されたTRANSWOOD®製のアップサイクルベンチ
長野県長野市の善光寺境内に、環境調和型素材を用いた特別なベンチが設置され、その開所式典が2024年11月18日に行われました。このプロジェクトは、株式会社hide kasuga 1896の主宰するサーキュラーエコノミーコンソーシアム「Green Composite Hills by hide k 1896®」の一環であり、長野市立東部中学校の生徒たちが1年間使用したペンケースをアップサイクルして作られました。
式典には、様々な関係者が出席しました。左から、春日秀之氏(株式会社hide kasuga 1896の代表取締役)、清水雄介氏(善光寺事務局の次長)、坂本晃大氏(三井化学株式会社の執行役員)、荻原健司氏(長野市長)、そして生徒代表の白浜凛さんが登壇しました。
アップサイクルの背景
このベンチは、長野市産の森林間伐材の木粉とバイオマスプラスチックを使用した環境調和型素材「TRANSWOOD® with Prasus®」によって製作されています。デザインは著名な建築家の隈研吾氏によるもので、地域の資源を活用した取り組みの象徴と言えるでしょう。
このプロジェクトは、ただのベンチ設置にとどまらず、循環型社会への意識を高めるための重要な試みです。ベンチとして善光寺境内に設置された後、1年間の使用を経て、アート作品としてアップサイクルされる予定です。
取り組みの意義
株式会社hide kasuga 1896は、2012年に創業して以来、サーキュラーエコノミーの構築に向けた幅広い事業を展開しています。環境調和型ブランド「BLANC BIJOU PARIS®」や「hide k 1896®」、そして「TRANSWOOD®」などを運営し、循環性の高い素材の開発と販売を行っています。特に「Green Composite Hills by hide k 1896®」は、産学官連携を通じて、持続可能な社会実現のために日々努力しています。
地域との結びつき
長野市におけるこのような取り組みは、地域住民や学生に持続可能性や循環型社会の重要性を伝える良い機会です。学生たちがペンケースを通じて環境への意識を高め、それが最終的に美しいベンチに生まれ変わる過程は、まさに地域産業と教育が結びつく素晴らしい事例です。
善光寺という歴史的な背景を持つ場所に環境調和型ベンチが設置されることにより、多くの人々がこのプロジェクトに触れ、循環型社会について考えるきっかけとなることでしょう。公私にわたる関係者の協力と地域の支援によって、未来志向の持続可能な社会が一歩ずつ確実に実現されていくことを願っています。