心疾患患者に優しいアプリ『ハートサイン』が進化
最近、医療とテクノロジーを融合させた健康管理アプリ『ハートサイン』が大きくリニューアルしました。このアプリは、三重大学とキュアコード株式会社の共同開発によるもので、心疾患および心不全患者向けに特化しています。新たに開始された臨床試験Ex-SMARTにより、より早期からの健康管理を支援することが期待されます。
アプリの目的と背景
心不全は現在、全世界での罹患者が増加し続け、「心不全パンデミック」とも称される重要な公衆衛生の課題となっています。この疾患は、進行性であり、心筋梗塞や高血圧、糖尿病などさまざまなリスク因子を持ちます。完治が難しいため、日々の健康管理が必要不可欠です。
これまで、心不全患者は紙媒体の「心不全手帳」を用いて自己管理を行ってきましたが、その利便性に限界がありました。そこで、三重大学医学部附属病院とキュアコードが共同で開発した『ハートサイン』が登場しました。
リニューアル内容
1. デザインの全面刷新
新たなロゴマークとアプリアイコンを取り入れ、全体的なデザインが生まれ変わりました。親しみやすいキャラクターも加わり、直感的なインターフェースが実現され、ユーザーの健康管理をより身近に感じられるようになっています。
2. 高血圧患者向けの新機能
アプリの新機能として、以下の三つが追加されました。
- - リスク判定とメッセージ: 毎日の測定値に基づき、複数のリスクレベルを提示し、生活習慣のアドバイスを行います。
- - クイズ形式の学習コンテンツ『ハートケアブック』: 高血圧や心不全に関する知識をクイズ形式で学べる機能。
- - 血圧トレンドの記録と分析: 日々のデータをグラフ化し、医療機関との連携も見込んで集計します。
これらの機能で、ユーザーが健康状態を自ら管理しやすくなっています。
医療関係者の見解
研究代表者である三重大学の土肥教授は、「高血圧は心不全や心筋梗塞のリスク因子として重要です。このアプリを活用して、自己管理の意識を高め、早期の予防につなげたい」と語ります。
デザインに込めた思い
デザイナーの坂本氏によると、アプリのロゴにはテクノロジーと人間の営みを融合させ、健康管理のサポートをしたいという思いが込められています。グラデーションカラーが象徴的で、健康な生活を送ることの大切さを表しているとのことです。
今後の計画
今後は、既存の研究に続いて、さらに多くの機能の強化と普及を目指します。目標は、心疾患のリスクを抱える方々や高血圧に悩む人たちへのより良い支援を提供することです。
最後に、一般利用に向けた研究及び開発が進められており、今後『ハートサイン』がどのように私たちの健康生活に役立つか、期待が高まります。