AIでエビのサイズ測定を実証実験
株式会社アイエンターが、ホテル三日月グループの三日月物産と共同で新たな実証実験に乗り出しました。実施場所は、千葉県木更津市にある三日月エビ養殖場。今回の目的は、バナメイエビのサイズをAI技術を使って正確に測定することです。
1. 実証実験の背景
アイエンターは、2020年4月にディープラーニング技術を駆使して開発した「AI魚体サイズ測定カメラ」により、様々な魚種のサイズ測定を実現しています。このカメラは、魚の体長や体高を高精度で計測できる技術を持ち、これまでにはブリやサーモンなどに適用されてきました。
今回の実験では、特に需要があり、流通が盛んなバナメイエビを対象としています。これにより、世界的な養殖需要に応えるため、エビのサイズ管理の精度を高めることが目指されています。
2. 「AI魚体サイズ測定カメラ」の特徴
このカメラの設計には、多くの利点があります。水中撮影が可能で、非接触でサイズ測定ができるため、魚に負担をかけずに済む点が特筆されます。魚体を正確に検出した後、体長と体高の測定を行い、そのデータは後々の分析に用いられます。これにより、魚の健康を守りつつ、最適な給餌量を算出したり、生産効率を向上させたりすることが可能になります。
3. ホテル三日月の取り組み
ホテル三日月は、2024年4月を目処に「サステナブルリゾート化計画」を掲げています。この計画の中で、持続可能なまちづくりのための施策が検討されており、「自社消費」と「新たな資源の創出」が重要なテーマとなっています。この第一歩として、国内初の陸上養殖を始めることが発表されています。
その中でエビの陸上養殖は特に注目され、資源循環型のホテル運営を実現しながら、エビのサイズ測定技術の確立を目指す実証実験が位置づけられています。
4. 今後の展望
今回の実証実験を通じて、バナメイエビのサイズ測定技術がさらに進化することが期待されています。実験で得られたデータを分析し、エビのサイズ管理技術の確立に向けた取り組みが進められます。アイエンターは、日本の水産業におけるデジタル化を推進しており、最新技術を活用して生産効率を向上させるプロジェクトを展開しています。
今後、これらの取り組みが水産業全体に良い影響を与え、効率的かつ持続可能な運営を実現することが期待されています。
5. 会社概要
株式会社アイエンターは、東京都渋谷区に本社を構える企業で、システム開発やアプリ開発からデジタルマーケティングに至るまで幅広い事業を展開しています。彼らのミッションは、最新技術を駆使して水産業をより効率的なものにすることです。
さらに、横浜ラボではアワビやエビの陸上養殖実験も行っており、水産業界のデジタルトランスフォーメーションを強力に推進しています。
【参考リンク】