西日本鉄道株式会社が、2024年12月3日から新たに試みる「完全キャッシュレスバス」の実証運行の詳細を発表しました。この新しいサービスは、国土交通省が主導するプロジェクトに参加する形で展開されるもので、特に観光客やインバウンド利用者に便宜を図ることを目的としています。
サービスが開始されるのは、福岡空港の国際線ターミナルとJR博多駅を結ぶ専用路線、および福岡市内を循環するBRT路線の二つです。この実証運行は、2024年の12月から2025年の2月末までの期間中に行われ、利用者の利便性を高めるための多くの取り組みが行われています。
取り扱われる決済手段は交通系ICカード、多様なクレジットカードまたは専用の乗車券に限定され、基本的には現金での支払いは受け付けられません。この新たな取り組みは、運賃箱に現金を投入してきたこれまでの概念を一新するものです。
運行される二つの路線においては、平日・土日を問わず多くの便数が用意されており、例えば福岡空港国際線ターミナルと博多バスターミナル間は、毎日74便を運行。BRT路線では、83便が走り回ります。
また、運行開始に合わせ、一定期間中にnimocaを利用した乗客には、利用金額の5%がポイントバックされるキャンペーンも実施。これは、2024年12月3日から2025年1月31日まで行われ、オフピーク時にも利用促進を図ります。このようなキャンペーンは、利用者にとって利便性の向上に繋がるだけでなく、観光客にとっても魅力のあるサービスです。
バスにはキャッシュレスである旨のステッカーや案内表示がされ、広く周知されることで、利用者が混乱しないよう配慮されています。また、バス車両だけでなく、周辺情報やバス停でも案内文が掲示されるなど、万全の体制で取り組みが進められています。
福岡空港や博多バスターミナルでは、事前にICカードを購入するための案内が強化されるほか、特に国際線ターミナルでは外国人観光客への手厚いサポートも行われます。これは、日本を訪れる旅行者に対してストレスのない交通手段を提供する大きな一歩です。これを契機に、来福者がさらにスムーズに、かつ快適に公共交通機関を利用できるようになることが期待されます。
完全キャッシュレスバスは、地元の公共交通機関の持続可能性を高めるためにも重要な試みです。西日本鉄道は、この実証運行を通じて得られるデータや利用者の反応をもとに、今後の公共交通のあり方を探っていくことでしょう。日本の交通インフラが進化していく姿を、ぜひ新しい運行形態として体験してみてください。