高市総理大臣の寄稿：日本とASEANの強固なパートナーシップについて

令和7年10月26日、マレーシアで開催されるASEAN関連首脳会議に出席するにあたり、高市総理大臣はその寄稿を発表しました。寄稿では「日本とASEANを共に強く、豊かに」とのテーマの下、日本とASEANの歴史的な関係と将来への展望が述べられています。

ASEANとの歴史的な関係の深化

高市総理は、この地域が世界の成長センターとなるにつれて、日本とASEANが築いてきた「信頼のパートナーシップ」の重要性を強調しました。日本とASEANは半世紀以上にわたり、相互理解と交流を深めてきました。特に、安倍晋三元総理大臣の政権発足から展開された対ASEAN外交は、その基盤をさらに強化しました。
今年はASEAN共同体の発足10周年であり、この節目を迎えたことへの意義も語られました。

未来への投資と協力の枠組み

高市総理は、今後の経済・社会の共創に関して、日本とASEANがデジタルやグリーンエネルギー分野で積極的な投資を行う必要があると指摘しました。特に人工知能（AI）や新技術において、日本が「安全で信頼できるAI」を推進する取り組みが求められています。これにより、国際共同研究の強化や、さらなる文化的交流が期待されています。

人材育成と文化交流の重要性

また、日本の「文化のWA」プログラムや日本語パートナーズ制度を通じて、人的交流も重要な要素とされています。これにより、未来の世代が信頼関係を築いていく基盤が形成され、さらなる相互理解が促進されるでしょう。特に、ASEAN各国との青年交流プログラムは、成長する若者たちにとって貴重な経験となります。

地域の安全保障と国際秩序

高市総理はまた、ASEANとの関係を通じた日本の国際的な立場の重要性にも言及しました。法の支配に基づいた自由で開かれた国際秩序が危機に瀕している現状を指摘し、安全保障を重視する必要性を強調しました。特に、「自由で開かれたインド太平洋」戦略がASEANの目指すところと合致していることを再確認しました。

ASEAN地域とのさらなる連携

寄稿の最後には、先般の大阪・関西万博の成功に触れ、ASEAN諸国の協力に感謝の意を表しました。マレーシアの文化に対する理解と交流の深まりが、今後の関係構築の礎となると信じています。
高市総理は、今後ともASEANとの幅広い協力を強化していく考えを示し、日本とASEANの未来に向けた強い決意を感じさせる内容でした。

この寄稿は、ASEANのビジョンが2030年以降のさらなる成長のための道筋を示す重要なメッセージとなることでしょう。