緩和ケア病棟「いまここ」
2021-10-21 22:56:20

光と風が織り成す唯一無二の空間、緩和ケア病棟「いまここ」

光と風が織り成す空間、緩和ケア病棟「いまここ」



緩和ケア病棟「いまここ」が2021年度グッドデザイン賞を受賞し、その独特な設計が評価されました。この病棟は、患者やその家族、友人が心地よく過ごせる空間を提供しています。ここはただの医療施設ではなく、まるで自宅のような温かみを感じさせる場所です。

開放的な空間設計


「いまここ」は、既存の樹木を活かした「雑木の庭」が特徴的です。この庭を中心に設計された回廊は、さまざまな居場所を生み出し、患者だけでなく訪れる人々に自由な空間を提供します。光が差し込み、風を感じることのできる設計は、訪れた人々のストレスを軽減させ、心の癒しをもたらします。

また、庭では地域ボランティアが手入れを行っており、色とりどりの多年草が風に揺れています。子供たちが遊ぶ声が聞こえる中庭は、病院とは思えない日常を思い起こさせます。

家族との時間を大切に


病棟内には、家族と共に過ごすための「リビングダイニング」も設けられています。食後にゆったりとした時間を共有できる場所は、患者とその家族にとって大変貴重な時間です。音楽が流れる中、談笑を楽しむ様子からは、病気を抱えながらもほっと一息つける心温まる光景が広がります。

住む場所のような安心感


設計を手掛けた株式会社山崎健太郎デザインワークショップの山崎健太郎氏は、「施設が唐突に立ち上がらないよう、昔からそこにあるかのような設計を目指しました」と話します。既存の樹木に溶け込むような平屋が特徴で、患者一人一人のニーズに応じたさまざまな部屋を用意しています。天井の高い部屋や、ハイサイドライトから樹木を眺めることのできる部屋など、どの病室も個性豊かです。

患者だけでなく、家族にとっても優しい視線を感じる設計は、医療特有の緊張感を取り除き、安心感を生み出しています。参加しているボランティアも、庭の手入れに楽しみを見出しており、その笑顔がまた訪れる人々に元気を与えています。

グッドデザイン賞の受賞


「いまここ」はベスト100に選ばれたほか、審査員から個別に選ばれる「私の選んだ一品」にも選出されるほどです。猪熊純委員は、「末期癌の方とその家族にとって、安心感を提供するこの空間は、まるで大きな家のような温かさがあります」と評しました。ここでの体験が、一日にわたる特別な思い出となるのでしょう。

まとめ


富士市に位置する緩和ケア病棟「いまここ」は、心温まる空間設計と地域との連携によって、患者とその家族により良い環境を提供しています。医療の枠を超えた心のケアを大切にするこの絆は、今後も多くの人々に希望と癒しをもたらすことでしょう。

会社情報

会社名
医療法人秀峰会 川村病院
住所
静岡県富士市中島327
電話番号
0545-61-4050

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