新たな観光の形「anyBOUND」がもたらす未来
2023年の秋、株式会社JTBと株式会社LEAPSが共同で開発した新たなウェブサイト「anyBOUND」のティザーサイトが公開されました。この新サイトは、世界中の富裕層を対象に「希少性の高い、着地型体験コンテンツ」を提供することを目的としています。
テクノロジーと観光の融合
「anyBOUND」は、ブロックチェーン技術を基盤としており、暗号通貨決済やNFT販売など、最新の販売スキームを用いることが特徴です。この取り組みは、デジタル時代に合わせて進化する観光業界において、顧客とのコミュニケーションやニーズ把握を効率的に行い、新たな価値を創造するためのものです。
特に注目すべきは、日本国内での訪日インバウンド市場の強化を目指している点です。地方自治体や観光地域づくり法人(DMO)と協力しながら、日本の文化や観光資源の価値を掘り起こし、活性化を図る姿勢が見受けられます。
新サイト開発の背景
日本政府観光局(JNTO)のデータによれば、2024年には訪日外客数が過去最高を超える見込みです。この状況の中、JTBは観光地への送客や誘客の両面から戦略を練り、新たなサービスを模索しています。デジタル庁によるデジタル社会の実現に向けた計画も、ブロックチェーン技術の活用に注目しており、官民一体となった動きが進行中です。
「anyBOUND」のユニークな取り組み
「anyBOUND」は、ボーダーレスな観光を実現することを目指しています。日本への訪問者が直接現地での体験を選び、手配できるようなオペレーションスキームを開発する方針です。そのために、現地集合・現地解散といった柔軟なサービス形態を重視しています。
また、旅行体験に限らず、世界各地に存在する希少コンテンツ、たとえば酒樽の権利販売など、さまざまな体験を企画・開発していく方針です。顧客が求める希少な体験は、NFTを活用した新たな販売手法によって提供されます。
各社の役割分担
JTBは、日本国内外に広がる354の拠点を活かし、希少コンテンツの開発や富裕層向けの旅行をオーダーメイドで手配するノウハウを提供します。LEAPSは、そのブロックチェーン技術を駆使し、新サイトの開発とともにNFTコンテンツの企画・販売を担います。また、Pacific Metaは、Web3市場に精通したネットワークを活かして、リサーチやマーケティングをサポートします。
今後の展望
「anyBOUND」は、旅行業界に限らず、不動産の共同所有権やデジタルアートなど、希少光景を新たに活用し、開発・販売していく方針です。県や地方自治体などとも連携しながら、日本文化の新たな価値創出を通じて、本格的な経済活性化を図ることを目指しています。
最後に、「anyBOUND」は、ただ単に旅行を提供するサイトではなく、金融技術と観光を融合し、ユーザーが求める新たな体験を創出する、挑戦的なプロジェクトであると言えるでしょう。新たな観光の形を追求する「anyBOUND」に、今後の注目が集まります。