大林組のスマートビルプラットフォーム「WELCS place」
株式会社大林組が開発したスマートビルプラットフォーム「WELCS place」が、2025年に開催される大阪・関西万博に採用されることが決まりました。このプラットフォームは、パナソニックグループパビリオン「ノモの国」とシグネチャーパビリオン「Better Co-Being」で、気象情報に基づいた革新的な空間演出を実現します。
近年、多くの建物において不動産価値を高めるために、IoT技術を取り入れたスマートビル化が進んでいます。しかし、これまでの実情としては、ビル全体を一元的に管理する技術が十分に発展していなかったため、様々なサービスには個別のアプリケーションが必要とされていました。そこで、大林組はオープンイノベーションの考え方を取り入れ、国内外のパートナー企業と連携し、「WELCS place」を2022年10月に開発しました。
このプラットフォームは、照明やカメラなどのIoTデバイスから得られたデータを集約し、多様なアプリケーションでの利用を可能にします。そのため、オフィスビルや商業施設、工場、病院、ホテルなど、様々な用途での導入が進み、快適な空間の提供を目指しています。
大阪・関西万博での「WELCS place」の役割
2025年の大阪・関西万博では、「最先端技術などの世界の英知を結集し、アイデアを創造発信する」という目的が掲げられています。この中で、「WELCS place」は効果的かつ効率的な空間演出を可能にし、来場者に快適な体験を提供する役割を果たします。
1. パナソニックグループパビリオン「ノモの国」
このパビリオンでは、パナソニックの「YOI-en」とWELCS placeが連携し、パビリオンの温湿度、雨量、風速などをリアルタイムにセンシングして自動的に制御します。具体的には、環境に応じてミストを噴霧する設備が整えられており、外観の演出や暑さ対策に寄与します。「光と音とミスト」をテーマとした演出は、訪れた来場者に新たな体験を提供することを目的としています。
2. シグネチャーパビリオン「Better Co-Being」
「Better Co-Being」では、さまざまな環境データをWELCS placeで一元管理します。このデータは、パビリオン内の演出や運営に活用され、特に屋外の「虹」の演出や暑さ対策への応用が期待されています。また、来場者の体験データを基にした映像アートを体験することで、五感に訴えるユニークな体験を提供します。
WELCS placeの将来への展望
大林組は、WELCS placeを駆使して大阪・関西万博の華やかな演出を支えると同時に、来場者が快適に過ごせる環境を提供するための取り組みを進めます。これからも、建物を利用するすべての人にとって快適な空間を作り続けるために、さらなる機能拡張と普及を目指しています。このような先進技術を通じて、より良い未来の実現に寄与していくことを目指す大林組に、今後も注目が集まります。